北米市場における液晶テレビのブランド別出荷台数シェア
北米市場における液晶テレビのブランド別出荷台数シェア
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 米iSuppli Corp.は,2007年第3四半期における北米の液晶テレビ市場で,米Vizio Inc.が第2四半期に引き続き,ブランド別出荷台数の首位を維持したと発表した(発表資料)。ちなみに,2007年11月1日に発表済みの米DisplaySearch社の調査結果では,シャープが1位,Vizio社が2位だった。今回のiSuppli社の調査は,市場に流通している製品の出荷台数の調査結果をまとめている(Tech-On!の関連記事)。

 iSuppli社が発表した第3四半期におけるVizio社の出荷台数シェアは,対直前期比0.7ポイント減の13.0%だった。2位になった韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.は,シェアを直前期から2.0ポイント拡大してVizio社との差を縮めたものの,首位を奪うにはいたらなかった。ただし,Samsung Electronics社のシェアは12.8%で,Vizio社との差は0.2ポイントである。

 iSuppli社は,「Vizio社は低コストの製品を知名度の高いチャネルで販売することによって,市場で成功を収めている」と説明する。また,目立つ販売促進活動を追加したことによって,北米の消費者の間でVizio社がしっかりと認識されるようになったという。一方,Samsung Electronics社の第3四半期における出荷台数の増加は,同社が年末商戦に向けて新製品を投入し始めたことによるという。

 3位以下のブランド別出荷台数シェアを見ると,シャープが対直前期比2.2ポイント増の12.0%,ソニーが同4.1ポイント増の10.1%,米Polaroid Corp.が同0.6ポイント増の9.1%,オランダRoyal Philips Electronics社が同1.2ポイント増の9.0%。上位6社のうちVizio社以外の5社は,すべて直前期よりシェアを拡大した。iSuppli社はこの要因を,第2四半期にVizio社がブランド別シェアで首位を奪ったことが,他ブランドの危機感を煽ったためと分析する。

 iSuppli社は,北米の液晶テレビ市場におけるブランド間競争が今後も激化すると予測する。例年,第4四半期は消費者の購買がピークとなるため,2007年第4四半期も液晶テレビの出荷台数は好調に推移し,売上高は年間で最も高い水準に達する見通しという。

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