アンリツが,次世代携帯電話システムである3GPP LTE(long term evolution)に対応した4種類の計測ソフトウエアを発売した(ニュース・リリース)。同社製のシグナル・アナライザもしくはベクトル信号発生器と合わせて使用する。3GPP LTEに準拠した携帯電話機,基地局およびデバイスの研究,開発,製造に向けている。

 今回発売した製品は,同社のシグナル・アナライザ「MS269xAシリーズ」に向けたLTEに準拠した基地局から端末へのダウンリンク信号の送信特性の計測ソフトウエア「MX269020A」,同端末から基地局へのアップリンク信号の送信特性の計測ソフトウエア 「MX269021A」,受信特性の計測用のオプションと合わせて用いる波形生成ソフトウエア「MX269908A」,および単体のベクトル信号発生器「MG3700A」に向けた波形生成ソフトウエア「MX370108A」。

 MX269020AとMX269021Aは,3GPP LTEで採用している同時送受信を実現するための技術であるFDD(frequency division duplex)に基づく信号の送信特性を計測するソフトウエアである。シグナル・アナライザにインストールすることによって,3GPP LTE FDD仕様で規定されるダウンリンク信号およびアップリンク信号の送信特性を計測できる。計測器本体へのインストールができるため,外部のパソコンによる操作が不要になり,本体のみで信号解析ができる。

 MX269908Aは,3GPP LTE FDD信号の波形パターンを生成するためのソフトウエア。生成した波形パターンは,MS269xAシリーズにオプションで内蔵可能な信号発生器からRF信号として出力できる。これによって,RF受信特性の計測も可能になり,基地局,端末,部品の送受信特性の評価を1台で実施できる。
 
 単体のベクトル信号発生器であるMG3700Aに向けた3GPP LTE FDD仕様の波形生成ソフトウエアがMX370108Aである。MG3700Aは通信に必要な希望波と通信の障害になる妨害波の二つの信号を1台で出力できる能力がある。従来の信号発生器では,希望波と妨害波を使った試験を行う場合には,2台の信号発生器が必要だった。