SyncTVのクライアント・ソフトウエア
SyncTVのクライアント・ソフトウエア
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 オンラインのテレビ・コンテンツ配信サービスに,サブスクリプション形の新顔「SyncTV」が加わった。サービスを提供する米SyncTV, Inc.は米Pioneer Electronics (USA) Inc.の研究開発事業部から独立したベンチャー企業である(同社のWWWサイト)。サブスクリプション形は一定額の料金を払うと,ユーザーがコンテンツを制限なくダウンロードできるタイプのサービス形態である。

 SyncTVはまず,WindowsやMac OS,Linuxを搭載するパソコンで動作する専用のクライアント・ソフトウエアを提供してサービスを始める。将来的にはテレビなどの家電製品でサービスを利用できるようにする考えだ。同社PresidentのJohn Gildred氏によると,SyncTVは内容未公開ながら「オープン標準」(Gildred氏)に沿って開発されており,パソコン以外の端末に対応しやすいとする。尚,同社は「Marlin」(Tech-On!関連記事その1)の標準DRM技術を採用していることを確認した。同社の見通しでは2008年後半にSyncTV対応の家電端末が登場するという。

 ダウンロード可能な動画ファイルの画質は「DVD並みもしくはそれ以上」で,一部の地域にはHD並みの画質の動画を提供するという。SyncTVは現在ベータ版として提供中。サービスを正式公開する予定は今のところ明らかにしていない。

 特定のテレビ・コンテンツを提供する「チャンネル」ごとに,ユーザーが毎月の受信料を支払う。契約したチャンネルに含まれる動画コンテンツは自由にダウンロードできる。音楽のサブスクリプション・サービスとしては米Napster社(Tech-On!関連記事その2)などいくつか先行例があるが,これまでは,市場で大きな成功に繋がった例はない。

 オンラインで公開されたインタビュー(MP3形式のインタビュー)によると,Gildred氏は一つのチャンネルの毎月の受信料は2米ドルまで下げられるとする。また,ベータ版公開時点で同社のサービスは,米CBS Corp.傘下の米Showtime Networks Inc.や日本のアニメといった「ニッチ」(Gildred氏)なコンテンツを扱う。