米QUALCOMM Inc.は,2007年度第4四半期(2007年7~9月)と通期の決算を発表した(PDFの発表資料)。第4四半期の売上高は対前年同期比15%増の23億600万米ドル,営業利益は同14%増の7億7700万米ドル,純利益は同84%増の11億3100万米ドルと,2ケタの増収増益を達成した。同社のCEOであるPaul E. Jacobs氏は,2007年度の業績について「無線通信向け製品とサービスが好調に推移して,売上高,純利益,営業活動によるキャッシュフローとも記録的な数字となった」と話している。同社のMSMシリーズのチップセットの出荷数は過去最高を記録し,対前年比22%増の2億5300万個に達したという。

 部門別の売上高を見ると,主力の半導体部門(QCT:QUALCOMM CDMA Technologies)は対前年度同期比24%増の14億1900万米ドルだった。最も伸びたのはワイヤレスインターネット部門(QWI:QUALCOMM Wireless & Internet)で,同25%増の2億4500万米ドルを売り上げた。 ライセンス部門(QTL:QUALCOMM Technology Licensing)の売上高は同2%減の6億4700万米ドルだった。

 通期については,売上高が対前年比18%増の88億7100万米ドル,営業利益は同7%増の28億8300万米ドル,純利益は同34%増の33億300万米ドルだった。それぞれの部門の売上高は,半導体部門が同22%増の52億7500万米ドル, ライセンス部門が同12%増の27億7200万米ドル,ワイヤレスインターネット部門が同13%増の8億2800万米ドルである。

 なお,QUALCOMM社は現在,フィンランドNokia社がQUALCOMM社の保有する特許を侵害しているとして,複数の訴訟で係争中である(Tech-On!の関連記事同2)。この結果,GAAP(一般的に認められた会計原則)に基づき,2007年4月9日以降にNokia社の売り上げから発生する特許使用料は,決算に含めていないという。

 2008年第1四半期(2007年10~12月)の売上高は,対前年同期比14~19%増の23~24億米ドルとなる見通し。2008年通期(2007年10月~2008年9月)の売上高は,対前年比7~12%増の95~99億米ドルと見込む。

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