オリンパスの2007年度中間決算(2007年4月~9月)は,売上高,営業利益,経常利益,純利益のすべてで過去最高となった。売上高は前年同期比13.6%増の5503億6600万円,営業利益は同602億2300万円である。通期(2007年4月~2008年3月)の業績予想にも2度目の上方修正を加えた。売上高は前年度比9.5%増の1兆1630億円,営業利益は同26.6%増の1250億円としており,いずれも過去最高を更新する見通しだ。

 好決算のけん引役となったのは,映像事業と医療事業だ。映像事業の中間期の売上高は前年同期比23.5%増の1631億4000万円,営業利益は同48.9%増の215億6000万円だった。デジタル・カメラの販売台数は530万台,うちデジタル一眼レフ機は前年同期の2倍超となる25万台だった。

 同社はデジタル一眼レフ機に注力する方針を採っており,取締役社長の菊川剛氏は「ニコンやキヤノンと肩を並べたい。カンパニー長(オリンパスイメージング代表取締役社長の大久保雅治氏)は5年以内にシェア20%が目標と言うが,30%を目指せとゲキを飛ばしているところ」と意気込む。2007年11月23日には同氏が「気合の入ったカメラ」と評するデジタル一眼レフのフラグシップ機「E-3」を投入する予定。下期のデジタル・カメラの販売目標は650万台,うちデジタル一眼レフ機は25万台とする。

 医療事業の売上高は前年同期比18.3%増の1681億9800万円,営業利益は同26.8%増の495億2300万円だった。内視鏡が国内外で引き続き好調という。同社は今後もカプセル内視鏡の拡販や分光ビデオ内視鏡の製品化などで,内視鏡事業を強化していく(Tech-On!関連記事1同2)。

海外製造拠点を新設へ

 決算説明会で菊川社長は,新しい製造拠点を海外に構える計画について言及した。どの事業に関するものかは「遠からず正式発表するから」と明らかにしなかったが「中国以外のアジアや東欧」への工場建設を検討しているという。

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