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「録画に関する補償は2011年に廃止すべき」,私的録音録画補償金制度に対してJEITAが見解

山田 剛良=日経エレクトロニクス
2007/10/31 13:00
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JEITA著作権専門委員会 委員長の亀井正博氏
JEITA著作権専門委員会 委員長の亀井正博氏
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 電子情報技術産業協会(JEITA)は2007年10月30日に記者懇談会を開き,私的録音録画補償金制度と,今回の制度改正の議論に関してJEITAの見解を改めて説明した。

 この席でJEITA著作権専門委員会 委員長の亀井正博氏は,「コピー制限が施される地上デジタル放送などの録画や個人が楽しむタイムシフト,プレイスシフト用途の録音・録画などでは『重大な経済的損失』は発生しない。ベルヌ条約の原則に照らすと補償の必要がない。アナログ・テレビ放送が停波し,デジタル放送だけになる2011年には私的録画に関する補償金制度は不必要になり,廃止すべき」などと述べた。これらはJEITAが従来から一貫して主張している内容である(Tech-On!関連記事1)。

 私的録音録画補償金制度は,文部科学大臣の諮問機関である文化審議会 著作権分科会傘下の私的録音録画小委員会で「抜本的に見直す」議論がなされてきた。この議論は,2007年10月16日に「私的録音録画小委員会中間整理」という形で公表され,11月15日まで意見募集(パブリック・コメント)が行われている(意見募集のページ)。

 亀井氏やJEITA著作権専門委員会 副委員長の河野智子氏は私的録音録画小委員会に委員として参加してきた。その上で,「もっとも大事な『補償の必要性』について,小委員会では議論が尽くされていない。『仮に補償の必要性があるとして』と留保を付けて,具体的な制度設計の議論を進めるなど,補償金制度の存続と適用範囲の拡張を前提に,結論を急ぎすぎているように感じる」(亀井氏)と小委員会の議論を批判した(Tech-On!関連記事2)。

 亀井氏は小委員会の議論がこうした状況になった理由として,「委員会は権利者サイドの委員が多数派で,消費者サイドの委員の意見が通りにくい」ことを挙げる。状況を打開するためには,「補償金制度で大きな影響を受ける一般ユーザーに関心を持ってもらい国民的な議論にしていく必要がある」と説明し,一般ユーザーの率直な意見を反映させる手段として,現在募集中のパブリック・コメントの提出を訴えた。「2年前の小委員会ではiPodなどに課金する方向で報告がまとまったが,パブリック・コメントで反対意見が多かったため,見送られた経緯がある」(亀井氏)。

 総務大臣の諮問機関である情報通信審議会が開催する「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」が先頃まとめた「コピー・ワンスの見直し策(いわゆる『ダビング10』)」の合意は,私的録画補償制度の存続が前提となっているとする権利者サイドの主張(Tech-On!関連記事3)については,「総務省の委員会ではいくつか検討中のなかの一つの手段として挙げられただけ。補償金制度とダビング10は本来,まったく別の話」(河野氏)との見解を示した。

 亀井氏は補償金制度の存在自体が契約をベースとした新しいコンテンツ市場の発展や技術革新を阻害する側面があると指摘した。コンテンツの流通と機器の販売が相乗効果で伸びる米国の市場を例に挙げ,補償金制度より契約やDRMの活用によるコンテンツ流通の促進を訴える。亀井氏らによると,米国には地上波放送のコピー制御はなく,音楽の一部に補償金制度が適用されているが,年々縮小され,事実上ないに等しいという。「それでも米国はとてもうまくいっているように見える。なぜ日本も同じように出来ないのか」(亀井氏)。

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