オムロンは,2007年度中間期(2007年4~9月)の連結決算を発表した(PDFの発表資料)。売上高は対前年同期比13.0%増の3661億1000万円,営業利益は同14.2%増の265億9000万円,純利益は同27.1%増の187億9700万円と,2ケタの増収増益を達成した。増収の主な要因は,為替の円安効果と買収という。

 売上高の伸びが最も大きかったのは,電子部品を手がけるECB(エレクトロニクスコンポーネンツビジネス)部門である。同部門の売上高は対前年同期比27.8%増の793億1800万円,営業利益は同9.9%減の60億4900万円だった。主力商品の基板用リレーなどは横ばいにとどまったが,2006年8月から連結対象となった「オムロン プレシジョンテクノロジー」のバックライト事業による増収に加え,2007年4月から操業を開始した子会社「オムロン セミコンダクターズ」(Tech-On!の関連記事)によって,売上高が増加した。 

 自動車向けのスイッチやリレーなどを扱うAEC(オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス)部門の売上高は対前年同期比24.2%増の530億9700万円。営業損益は前年同期の20億700万円の赤字から回復して,5億2200万円の黒字を計上した。地域別に見ると,すべての地域において売上高が前年同期を上回った。北米においては,無線制御機器,パワー・ウィンドウ・スイッチなどが売り上げを伸ばした。中国では,顧客メーカーが生産拠点を中国へ移行したことを受けて,売上高が大きく伸びた。

 主力のIAB(インダストリアルオートメーションビジネス)部門の売上高は対前年同期比9.6%増の1609億4700万円,営業利益は同9.4%増の246億2600万円だった。国内の売上高が前年同期を下回った。一部の半導体や電子部品関連などの顧客企業の成長鈍化や,フラットパネル・ディスプレイの設備投資の減少が影響したという。海外は日本より好調で,欧州ではプログラマブル・コントローラやモーション・コントローラなど,北米では石油・ガス関連事業向け制御関連機器,中国ではプログラマブル・コントローラや基板検査装置などの売り上げが伸びた。

 2007年度通期の業績予想は,前回発表時から下方修正した。売上高は150億円引き下げて7850億円,営業利益は40億円引き下げて710億円とした。純利益は変更していない。オムロンは修正の理由として,2007年上期において国内の民間設備投資に向けた需要が一部,予想に対して下振れしたことを挙げている。

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