メーカー別出荷台数シェア
メーカー別出荷台数シェア
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 米IDC Corp.は,2007年第3四半期の携帯電話機市場の調査結果を発表した(発表資料)。出荷台数は対前年同期比13.8%増の2億8910万台と堅調に伸びた。成長の主な要因は,新興市場向けの手ごろな価格の端末と,成熟市場に向けた高位機種の出荷量の増加という。主要メーカーは,収益性低下を招く低価格な新興市場向け携帯電話機に加え,成熟市場に向けて収益性の高い高位機種を出荷したことによってバランスをとり,売上高および利益を向上させた,とIDC社は説明する。

 また,過去数四半期にわたって,携帯電話機市場全体の成長は鈍化傾向だが,多くの機能を集積した携帯端末(converged mobile device)分野の成長は,従来の携帯電話機の成長の数倍となっており,2007年第3四半期は前年同期から50%以上伸びたとする。この分野では,初期費用の低下と,選択できる端末の幅が広がったことが,大幅な成長につながったという。

 メーカー別の出荷台数を見ると,上位5社のうち米Motorola, Inc.が唯一前年同期から出荷台数を減少させ,その他のメーカーがシェアを伸ばした。首位はフィンランドNokia Corp.。対前年同期比26.2%増の1億1170万台を出荷した。同社は,2四半期連続して出荷台数が1億台を上回った。シェアは同3.8ポイント増の38.6%。低位機種である「Nokia 1110」「Nokia 1600」の出荷台数増加によって平均出荷価格が下落したものの,すべての端末分野で営業利益を改善させた。コストの低減や流通の改善などが貢献したという。

 2位は韓国Samsung Electronics Co., Ltd.で,出荷台数は対前年同期比47.4%増の4260万台。シェアは同3.3ポイント増の14.7%。3位Motorola社との差を540万台に広げている。Samsung Electronics社の2007年の累計出荷台数はMotorola社よりも少ないが,その差は330万台まで縮まった。Samsung Electronics社は人気機種「Ultra Edition」を含む高位機種の出荷増によって,営業利益を2ケタ成長させた。

 3位となったMotorola社の出荷台数は,対前年同期比30.7%減の3720万台。シェアは同8.2ポイント減の12.9%となった。同社は第2四半期に引き続き,シェアを減らした(Tech-On!の関連記事)。同社の携帯端末部門は,直前期に引き続いて営業損失を計上したが,売上高は2億円ほど増加した。第3四半期の売上高増には,音楽機能を強化した「Motorola U9」や「Z6」シリーズの2機種,100万台近くを出荷した「RAZR 2」といった端末が貢献した。4位以下は英Sony Ericsson Mobile Communications AB,韓国LG Electronics,Incと続く。出荷台数はそれぞれ対前年同期比30.8%増の2590万台と,同31.9%増の2190万台。シェアは9.0%と7.6%だった。

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