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【TMS】スズキ、3次元カムでスロットルレスのミラーサイクルを実現

浜田 基彦=日経Automotive Technology
2007/10/29 14:13
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図1◎ スロットルで言う“全開”の状態。カムは右端にあり、その左端、カム山の高い部分がローラを押す
図1◎ スロットルで言う“全開”の状態。カムは右端にあり、その左端、カム山の高い部分がローラを押す
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図2◎ スロットルで言う“全閉”の状態。中央の送りねじを回してカムを左端まで押すと、カムの左端、ベース円の場所がローラと向かい合う
図2◎ スロットルで言う“全閉”の状態。中央の送りねじを回してカムを左端まで押すと、カムの左端、ベース円の場所がローラと向かい合う
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図3◎ 試作エンジン。ヘッドの上(写真では右)にモータが載る
図3◎ 試作エンジン。ヘッドの上(写真では右)にモータが載る
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 スズキは3次元形状を持つカムで駆動する動弁機構を開発した。試作エンジンを第40回東京モーターショー(一般公開日:2007年10月27日~11月11日)に展示した。スロットル弁を省略し、ミラーサイクルにもできる。燃費は20%、トルクは6%向上する。数年後の実用化を目指すという。

 カムは3次元形状をしている。吸気側はリフトを大幅に変えるために左が広がった形状(図1の上側)。排気側はリフトはそれほど変えないが、タイミングを変えるためにカム山の稜線がうねったような形状を持つ(同下側)。

 カムはカム軸と独立しており、カム軸に対して軸方向に自由に動ける。軸にはキーを加工してあり、回転方向の力を伝える。

 カムを軸方向に動かすため、吸気カム軸と排気カム軸の間に、両者と平行に操作軸を置く。操作軸は、ボールねじで左右に送られ、カムのどの部分がフォロアに当たるかを制御する。操作軸から両側に腕が伸び、カムを軸方向に動かす。腕とカムの間には軸受があり、回転方向の力は伝えない。

 操作軸のストロークは約30mm。カムが右端にある時、その左端、カム山の高い部分がローラを押す。スロットルで言う“全開”の状態になる。奥が吸気、手前が排気で、手前のカムは奥ほどメリハリはない。

 カムが左端まで行くと、カムの左端、ベース円の場所がローラと向かい合う(図2)。リフト量はゼロ。これでスロットルで言う“全閉”の状態になる。

 カムフォロア一つが弁2本、つまり1気筒分の弁を駆動する。ローラは直径27mm。カムのベース円は直径36mm。“点接触”ではあるのだが、転がり摩擦であるために表面の接触状態は玉軸受と同等で、寿命も長い。

 カムは塑性加工で造り、研削し、最後に精密ショットピーニングをして仕上げる。外周が曲線になった砥石で3次元形状を研削する。価格が2000万円程度の一般の研削盤を使うが、加工には4分かかり、NCデータ量は一般のカムの200倍に達するという。将来は研削を省略することも模索する。

 試作したエンジンは排気量638ccの直列2気筒エンジン、1気筒あたり319ccだから、2輪にしか使えないという性格のものではなさそうだ。となるとドイツBMW社の「バルブトロニック」、日産自動車の「VVEL」、トヨタ自動車の「バルブマチック」などと競合することになる。それらに比べると、部品点数の増加が最小限に抑えられ、摩擦損失も小さそうだ。ヘッドの高さは40mm高くなる程度。ただし試作エンジンを見るとモータ部分は大きく膨らんでいる(図3)。左右幅を重視し、高さはそれほど強い要求でない2輪用エンジン用の設計で、モータの配置を変えれば低くすることもできる。

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