図1 フリートモニター用車両
図1 フリートモニター用車両
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 三菱自動車は,第40回東京モーターショー(一般公開日:2007年10月27日~11月11日)に,2007年度中に実証走行試験(フリートモニター)を開始する電気自動車「i MiEV」を出展した(図1)。これまで先行試験していた車両を改良し,より実用化に近付けた車両になるという(関連記事1関連記事2)。

 従来の車両に比べてモータやインバータの静粛性を高めたほか,モータの最高出力と最大トルクを維持したまま,モータで10%の軽量化,インバータで30%の小型化を図ったという。モータとインバータは明電舎製(図2,3)。モータの最高出力は47kW,最大トルクは180N・mである。

 電源となるLiイオン2次電池にはジーエス・ユアサ コーポレーション製のセルを採用した(図4)。セルの電流容量は50Ahで電圧は14.8Vである。車両全体では4セルを1モジュールとし,22モジュールを床下に搭載した(図5)。電力容量は16kWhで1回の充電で約160km走行できる。

 家庭用電源で満充電にするには,200Vで約7時間,100Vで約14時間かかる。車両に搭載する充電器とDC-DCコンバータはニチコン製である(図6)。

 三菱自動車 取締役社長の益子修氏は今回のモーターショーの記者発表会で,小型電気自動車を「2009年に実用化する」と明言した。これまで2010年に発売するとしていたため,1年前倒しとなる。同社は現在,東京電力と中国電力,九州電力に研究車両を1台ずつ提供している。今後は今回発表した車両を提供して2007年度中に実証試験を進めていくほか,2008年度には関西電力と北海道電力とも実証試験を実施する予定。

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図2 明電舎製モータ
図2 明電舎製モータ
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図3 明電舎製インバータ
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図4 ジーエス・ユアサ コーポレーション製セル
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図5 車両の床下
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図6 充電器とDC-DCコンバータ。ニチコン製である
図6 充電器とDC-DCコンバータ。ニチコン製である
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