LF-BUSHの断面。インターリングを設けるとともに,中央部を円弧上に湾曲させている。
LF-BUSHの断面。インターリングを設けるとともに,中央部を円弧上に湾曲させている。
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トムスが開発した高剛性アームの試作品。
トムスが開発した高剛性アームの試作品。
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 東洋ゴム工業は,「第40回 東京モーターショー」(一般公開日:10月27日~11月11日)に,新しいブシュ「LF-BUSH」を出展した。トムス(本社東京)と共同で進めているサスペンション開発の一環で開発したもの。従来と同等の剛性を維持しながら,ねじり方向(ブシュの中心線を軸とする回転方向)・こじり方向(中心線に直交する方向)のバネ定数をそれぞれ約35%と約45%低減させた。

 内筒と外筒の間にインターリングと呼ぶ部材を挟んだ3層構造を持つ。インターリングを有するブシュは従来もあったが,LF-BUSHはブシュの中央部分に円弧状の膨らみを持たせたのが特徴。これにより,インターリングを挟んでいるゴムがせん断方向に動き,軸方向およびその直角方向に対する剛性を維持したまま,ねじり方向およびこじり方向のフリクションを低減できる。従来のストレートなタイプのインターリングでは,ねじり方向は改善できても,こじり方向のフリクションが大きくなるという課題があった。

 また,ブシュの開発に合わせてトムスが専用の高剛性アームを試作している。アームの支持側およびハブ側にLF-BUSHを採用することで,剛性の確保とフリクションの低減によって乗り心地と走行安定性を向上させられるという。

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