【TMS】マツダの「プレマシーハイドロジェンREハイブリッド」,シート表皮や内装などにPLAを採用
マツダは,水素ロータリエンジンとモータを組み合わせて走るハイブリッド車「プレマシーハイドロジェンREハイブリッド」を「第40回東京モーターショー2007」に参考出品した(図1)。水素ロータリエンジンで課題とされていた低速度域でのトルクや効率をモータで補うものだが,こうした新たなパワートレーンの搭載に加え,植物由来のプラスチックであるポリ乳酸(PLA)を多用している点も,このクルマの一つの特徴である。
具体的には,シートの表皮にPLAの織物を,インスツルメンント・パネル(インパネ)のロアパネル,シフトパネル,フロントコンソール,グローブリッド,水素タンクカバーに硬質のPLAを使っている(図2,3)。織物として採用しているPLAは,帝人,帝人ファイバーと共同で開発したもの。光学異性体であるL体のPLAとD体のPLAでステレオ・コンプレックスを構成させることで耐熱性を向上させたものだ。シートの表皮としては使用時には80℃くらいの耐熱性があればいいが,染色の工程で高温にするため160℃くらいの耐熱性が要求されたという。この繊維は,耐摩耗性では額振試験(布を荷重をかけながら何回もこすり合わせ,摩耗の状況を見る試験)で4級以上(1000回の場合)を達成。繊維としての引っ張り強度は,乗降時に繊維かかる延伸力の1.5倍を確保。難燃性は,最も厳しいとされる米国のFMVSS(Federal Motor Vehicle Safety Standards)を満たしているという。
インパネに使用した硬質のPLAは,経済産業省の「地域新生コンソーシアム研究開発事業」として広島県内の産学官で共同開発したもの。L体のPLAに耐熱性を向上させるための核剤と耐衝撃性を高めるための添加剤を混ぜたものである。核剤は,具体的にはでんぷんとD体の乳酸の共重合体。これをL体のPLAに混ぜることで,ステレオ・コンプレックスとして素早く析出させることができ,それを核にPLAの結晶化を促進することができる。PLAの結晶化度を高めることで,耐熱性を100℃以上に向上させた。耐衝撃性を高める添加剤には,L体のPLAと柔軟成分の共重合体を使う。
マツダは,プレマシーハイドロジェンREハイブリッドのリース販売を2008年に開始する計画。上記のPLAは,それらのクルマで実際に使用される予定だ。
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