米The Walt Disney Co.や米CBS Corp.,といった米国の大手コンテンツ企業と米Fox Entertainment Group傘下の米MySpace社や米Microsoft Corp.などのオンライン動画共有サイトの運営企業が共同で,「User Generated Content Principles(ユーザー生成コンテンツの原則,UGCP)」と呼ぶ原則を策定し,2007年10月18日に公開した(発表資料同原則)。

 UGCPはMySpaceなどに投稿されるユーザー生成コンテンツ(user generated content,UGC)が著作権侵害を起こさないようにするために,コンテンツ企業とオンライン動画共有サイトの運営企業の双方が原則に沿って協力することを目指している。UGCPの公表にはコンテンツ企業として,Disney社やCBS社のほか,米NBC Universal, Inc.,米Fox Entertainment Group,米Viacom inc.,オンライン動画共有サイト運営企業としてはMySpace社やMicrosoft社に加えて,フランスDailymotion社と米Veoh Networks Inc.が名を連ねている。

 UGCPは15項目で構成される。ユーザーが投稿したコンテンツの内容を検査するコンテンツ・フィルター技術を利用することで,著作権を侵害する投稿を見つけ出し,侵害を食い止めるようとしている。例えばUGCPのある項目は,UGCを手掛けるWWWサイトの運営企業は2007年末までに,「合理的な商用Identification Technologyを実施するべき」と書いている。ここで言う「Identification Technology」はコンテンツ・フィルター技術を意味する模様だ。

 UGCPの賛同企業はUGCPが法的な文章ではないと主張する。整理すると,UGCは大きく分けて三つの内容が含まれる。UGCを扱うサイトの運営企業に対しては,(1)コンテンツ・フィルター技術の運営,と(2)著作権を侵害したコンテンツを投稿したユーザーの把握と再投稿の防止対策を求める。一方のコンテンツ企業側には(3)コンテンツ・フィルター技術で使うために,自社のコンテンツをサイトの運営企業に提供することを義務付ける。

 UGCPが公開された背景には,動画共有サイト「YouTube」が著作権を侵害したと主張するViacom社が,2007年3月に起こした米Google Inc.に対する訴訟(Tech-On!関連記事)がありそうだ。Google社はUGCPに関わっていないが,007年10月15日にYouTubeに扱うコンテンツ・フィルター技術の概要を公開した(Google社のブログ記事)。