ソニーとソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE),東芝は,マイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」や画像処理LSI「RSX」などのLSIを生産する新会社を共同で設立する。出資比率は東芝が60%で,ソニーとSCEが20%ずつである。これに伴い,ソニーはソニーセミコンダクタ九州の長崎テクノロジーセンター内にある「Fab2」の300mmウエハー対応製造ラインを2008年3月末までに東芝に売却する(Tech-On!関連記事1同2)。

 新会社は2008年4月1日,長崎県諫早市に設立する。資本金は1億円。会長兼CEOは東芝から,社長兼COOはソニーから選任する予定だ。新会社は東芝がソニーから買い取った製造設備を借り受けて,主に65nmプロセスに対応した製造を展開する。さらに,45nmプロセスによる量産体制の構築を目指す。新会社で生産する半導体は主にSCEのゲーム機向けとなるが,「東芝向けの半導体も製造していく」(東芝 広報)としている。

 一方,1999年に東芝とソニーの合弁で設立した大分ティーエスセミコンダクタ(OTSS)については,契約満了の2008年3月に合弁関係を解消し,設備資産を東芝がソニーから買い取る。OTSSは「プレイステーション2」用の半導体製造を目的に設立,近年ではRSXやCell周辺のLSIを製造していた。合弁解消後もこれらの量産は東芝大分工場が引き継ぐ。

IBM,Cell BEを45nmプロセスで量産へ

 また,ソニーはこの発表と同時に,米IBM Corp.が米国New York州East Fishkillに持つCell Broadband Engineの製造設備を45nm化する計画だと発表した。同工場は2007年3月から65nmプロセスでCell Broadband Engineの量産を始めている(Tech-On!関連記事3)。

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