3軸加速度センサを使った活動量計「Active style Pro HJA-350IT」。腰に付けて利用する
3軸加速度センサを使った活動量計「Active style Pro HJA-350IT」。腰に付けて利用する
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加速度と活動強度の関係は,歩行時と非歩行時で異なる
加速度と活動強度の関係は,歩行時と非歩行時で異なる
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従来の加速度計では歩行以外の生活活動の強度を過小評価する問題があった
従来の加速度計では歩行以外の生活活動の強度を過小評価する問題があった
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今回のアルゴリズムを使うと,歩行も生活活動も高精度に測定できる
今回のアルゴリズムを使うと,歩行も生活活動も高精度に測定できる
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計算アルゴリズムに使う基準値には,国立健康・栄養研究所と共同で実測したダグラスバッグ法による値を使った
計算アルゴリズムに使う基準値には,国立健康・栄養研究所と共同で実測したダグラスバッグ法による値を使った
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 オムロン ヘルスケアは,3軸加速度センサを搭載し,日常の活動量を正確に計測できる活動量計「Active style Pro HJA-350IT」を2008年1月に発売する。3軸加速度センサを搭載した活動量計は,既に他社が発売しているが,今回は加速度の情報から活動量を算出するアルゴリズムを国立健康・栄養研究所と共同開発することで測定精度を高めた。

 人が1日に消費するエネルギー量のうち,歩行や家事といった運動以外の身体活動の占める割合は約30%と大きく,その活動量を高精度かつ安価に計測する手法が強く求められている。これまでの活動量計は,加速度の情報を「歩行」とみなして活動量に変換する機種が多く,掃除や洗濯など姿勢の変化を伴う活動では,活動量を過小評価してしまう問題があった。今回は3軸加速度センサを使って使用者の姿勢の変化を検出することで「歩行」と歩行以外の「生活活動」を区別し,それぞれ別の計算式で活動量を算出することで測定精度を高めた。

 今回の活動量計は,6Gまで検出できる3軸加速度センサを使い,18METs(METsは生活活動強度を安静時の倍数で表したもの)までの活動強度を測定できる。センサには伊仏STMicroelectronics社の製品を使った。「6Gまで高精度に測れる安価なセンサはこれしかなかった」(オムロン ヘルスケアの開発担当者)という。1軸の加速度センサでも姿勢の変化を検出できるが,今回のように腰に付けたまま使用する場合は3軸品の方が精度を高めやすいという。

 一般向けには販売せず,大学などでの臨床研究や,医療機関や健診事業者の保健指導ツールとして提供していく。本体価格は税込みで2万1000円。USBケーブルでパソコンと接続し,活動量を「歩行」と「生活活動」に区別してグラフ表示する管理ソフトを別売りで提供する。2007年10月19~20日に開催される日本肥満学会で学会発表および商品展示をする予定。