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NEDOが超電導蓄電システムを披露,100MW級の開発が目前に

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2007/10/15 19:17
野澤 哲生=日経エレクトロニクス
超小型SMESの実演。液体窒素にコイルの大部分を浸している。
超小型SMESの実演。液体窒素にコイルの大部分を浸している。
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超小型SMES用コイルの見本。外径は118mm。
超小型SMES用コイルの見本。外径は118mm。
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 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は,展示会「第2回新エネルギー世界展示会」(千葉市幕張メッセ,2007年10月10〜12日)で,超電導現象を利用した蓄電システム2種類を展示した。一つは,「SMES(superconducting magnetic energy storage)」。これは,超電導状態のコイルに電流を流すと,電気抵抗がゼロなので半永久的に電流が流れ続けることを生かして電池の代わりにするもの。もう一つは「超電導フライ・ホイール」。これは,電力を駒のような回転体(フライ・ホイール)の運動エネルギーに変換して「蓄電」するシステム。超電導で回転体を空中に浮かせるため,摩擦によるエネルギーの損失が少ないのが特徴である。いずれも,現在,NEDO 新エネルギー技術開発部の「超電導電力ネットワーク制御技術開発」というプロジェクトの中の研究テーマになっている。

 今回,NEDOは展示会場で,直径がおよそ30cm前後と超小型の「高温超電導SMES」を出展し,実際に液体窒素の中にこの超小型のSMES装置を浸し,蓄電と電力の取り出しを交互に実演してみせた。

 この装置は,外径118mm,内径100mmの超電導用コイル12個を「トロイド型」と呼ばれる形に並べたもの。超小型ながら,超電導材料からなるコイルの線材の総延長は185mになるという。蓄電エネルギーは最大10Jである。

 ただし,蓄電量が10J=10W・sとわずかでは,ほとんど実用性がない。「実用的なものは直径10mぐらいと大きく,変電所で落雷などによって瞬間的に電圧が低下する瞬低防止システムなどへの応用が検討されている。臨界電流密度をあと3倍ぐらい高められれば,装置も1/3程度に小型化でき実用化が現実的になる」(説明員)という。NEDOの開発プロジェクトには中部電力,九州電力,国際超電導産業技術センター(ISTEC)などが参加しており,2007年度中に100MW級のシステムの開発を目指すという。

重さ25tの駒が超高速回転

 もう一つの超電導フライ・ホイールは,今回はパネルだけの展示となったが,NEDOのプロジェクトでは,東海旅客鉄道(JR東海)などが参加して実際に50kWh級のシステムを開発中である。「フライ・ホイールの実物は直径3〜4mで重さは25t。最近組み上がったばかり」(説明員)という。

 超電導を利用しない小型のフライ・ホイールは,欧州の列車で実用段階になっている。ただ,摩擦によるエネルギー損失が避けられない。超電導でフライ・ホイールを浮かせると,摩擦がほとんどなくなるため「1週間経ってもエネルギーは2%程度しか減らない」(NEDO 超電導・超高純度金属材料グループ 主査の前田貴雄氏)。その2%には,超電導状態を維持するための冷却装置に必要な電力が含まれるという。

 目標とするエネルギーの貯蔵容量は70kWh以上。ただし実際に取り出せるエネルギーはやや減るため,50kWh級となる。入出力時の電力は1MWが可能であるという。

 想定する用途は,鉄道会社の変電所などに設置して,列車の回生電力,つまり減速する際に車両の運動エネルギーを電力に変換したものをこのフライ・ホイールに蓄電し,列車が動き出す際に再利用するような使い方という。

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