PNDの世界市場推移(2007年は見込み,2008年以降は予測)
PNDの世界市場推移(2007年は見込み,2008年以降は予測)
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 富士キメラ総研は,車載用電子機器およびシステムの世界市場調査の結果を発表した(発表資料)。

 2006年のPND(personal navigation device)の世界販売台数は1000万台を上回り,従来型のカーナビの販売台数を超えた。2007年における世界販売台数は2070万台,売上高は7300億円になる見通しだ。現在欧米を中心に販売が拡大しており,2006年の欧州での販売台数は800万台。2005年の販売台数450万台と比べると,ほぼ倍増している。北米ではこれまで欧米と同様に,簡易な道路地図上に矢印だけで進路を示す「ターン・バイ・ターン方式」のカーナビが普及していたが,安価な点が評価され,PNDユーザーが拡大しているという。日本では,2005年から海外メーカーの製品の輸入が始まり,現在では国内メーカーの取り組みも進んでいる。2006年の国内販売台数は10万5000台だが,2007年には50万台前後の販売台数を見込む。

 富士キメラ総研は,2012年における世界販売台数を対2007年比で1.9倍の4005万台,売上高を同1.5倍の1兆850億円と予測する。国内においては,歩行者や二輪車ユーザーが簡単に使用できる製品として認知度が高まるにつれて,徐々に販売台数が増加するとみる。ただし,携帯電話機や携帯型ゲーム機のナビゲーション・ソフトウエアと競合するため,PNDならではの機能やアプリケーションの搭載が必要とする。

 なお,今回の調査ではPNDを「4~5型以下の液晶ディスプレイと小型のフラッシュ・メモリを搭載し,地図情報が簡易。従来のカーナビと比べて安価で,持ち運び可能なもの」と定義している。