解析したデータをPDAに表示させた様子
解析したデータをPDAに表示させた様子
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 日立製作所とバイセンは,人の行動を計測し,消費カロリーや運動量などを算出するシステムを共同開発した。このシステムは,2008年4月から始まる,40歳以上の被保険者を対象にしたメタボリック・シンドロームの予防・改善のための特定検診・保健指導に向けたもの。保健指導を行う医師や保健師,管理栄養士らがこのシステムを活用することで,より効果的に患者に指導できるようになることを狙う。

 このシステムは,日立製作所が開発するセンサ・ボックス「日立AirSense」と,バイセンが開発する運動・行動解析ソフト「メタボレンジャー」で構成する。日立AirSenseには,3軸加速度センサと無線通信機能を備える。患者は,これを腰などに付けて生活することで,一日の行動内容を計測できる。計測したデータは,あらかじめ用意したPDAやPNDなどに無線通信によって自動転送されるため,患者はその内容を逐次確認できる。

 PDAやPND(personal navigation device)に蓄積されたデータは,バイセンが用意するデータ・センターに自動転送され,このデータを基にメタボレンジャーが運動・行動解析を実施する。

 これまでの保健指導は,患者自身が万歩計などで行動データを記録し,医師などに報告して指導を受ける形態が主だという。今回のシステムを活用することで,患者にとってはデータをその都度記録するなどといった負担がなくなる。一方,医師などにとっては精度の高い計測データに基づいた指導が可能になる。

 メタボリック・シンドロームの予防・改善のための特定検診・保健指導が始まる2008年4月にシステムの製品化を予定する。ただし,2007年11月に,無線通信ではなく,外部のメモリにデータを保存してやり取りする形態のサービスを先行して始める。

 将来的には,無線通信機能を備える体重計や脈拍センサ(Tech-On!関連記事)などのデータも,このシステムの中で一元管理することを目指す。