ロームはLSI上に形成した圧電薄膜を振動子に使う2軸のジャイロ・センサの原理モデルを試作し,開催中のCEATEC JAPAN 2007の同社ブースで展示している。実用化できれば,数ミリ角,厚さ1mm程度の超小型ジャイロ・センサが実現するという。
ロームは今回,アンプを集積したLSI上に圧電薄膜の振動子を2個,形成したチップを試作した。振動子を振動させる発振器と,信号処理回路を組み合わせることで,ジャイロ・センサとして利用できることを確認した。今後,発振器や信号処理回路をLSI内に集積すれば,1チップのジャイロ・センサとなる。実用化できれば「数mm角で厚さ1mm強」(説明員)となり,現在,普及している振動ジャイロ・センサに比べて大幅に小型化できる。
LSI上に圧電薄膜を形成するために,同社がFeRAMの開発で培った強誘電体薄膜を形成する技術を転用した。圧電薄膜を振動子として使うために,薄膜片の下を深掘りするプロセス技術などを今回開発したという。
【訂正】記事掲載当初,圧電薄膜には「MRAMの開発で培った強誘電体薄膜を形成する技術を転用した」としていましたが,正しくは「FeRAMの開発」でした。お詫びして訂正いたします。記事は修正済みです。