Blu-ray Discの規格策定・普及団体であるBlu-ray Disc Association(BDA)は,CEATECの展示ブースで記者会見を開き,国内外での次世代DVD市場の現況を報告した。

 「もはや,日本国内では『次世代DVD戦争』というものはない」――松下電器産業 蓄積デバイス事業戦略室 室長の小塚雅之氏は,国内市場におけるBlu-ray Disc規格の優位を強調した。その根拠の一つとして挙げたのが,日本国内においてBlu-ray Discパッケージ・メディアの販売枚数がHD DVDを圧倒していることである。さらに,CEATEC会場に展示されたBlu-ray Disc機器の機種数の多さを取り上げ,「年末商戦では,Blu-ray Discプレーヤー/レコーダーで量販店の棚が占有されることになるだろう」(小塚氏)と述べた。

図1 パッケージ・メディアの累計販売枚数の割合。Blu-ray Discが90%を占めるという
図1 パッケージ・メディアの累計販売枚数の割合。Blu-ray Discが90%を占めるという (画像のクリックで拡大)

 米国でも,パッケージ・メディア販売数でBlu-ray DiscはHD DVDより勝っているという。2007年2月に累計販売枚数でBlu-ray DiscがHD DVDを抜き,現在もその差は広がっている。

図2 Blu-ray Discは米国で販売累計250万枚を突破
図2 Blu-ray Discは米国で販売累計250万枚を突破 (画像のクリックで拡大)

 ただし,実際には規格の優位を決定付けるほど差が広がっているとは言えない。東芝は,プレーヤーよりレコーダーが売れる日本市場での勝ち負けは重視せず,「とにかく,米国のプレーヤー市場で勝てればいい」(東芝の説明員)との姿勢を取っている。規格争いは当分続きそうだ。

 最後に小塚氏は,中国市場での取り組みについて説明した。既にパイオニアがBlu-ray Discプレーヤーを,ソニーがBlu-ray Disc装置搭載ノート・パソコンを発売したほか,AV機器大手である中国国有企業の中国華録集団がBlu-ray Disc Associationに加入したと報告した。さらに,国営企業の中国映画集団と共同でBlu-ray Discオーサリングセンターを開設,「北京五輪に向け,中国独自のコンテンツを準備する」(小塚氏)という。