東芝は,Cellを用いた機器を開発するためのリファレンス・セットの新版「Cell Reference Set2(CRS2)」を展示した。同社が2005年のCEATECで展示した第1世代のリファレンス・セットは大型のワースステーションほどの大きさがあったが,今回のCRS2はデスクトップ・パソコン並と大幅に小型化した。65nmの製造技術を用いたCellを採用したことで消費電力の低減,電源回路や冷却装置の小型化を実現した。第1世代のCRSでは冷却装置として液令式を採用していたが,今回は空冷式である。
主記憶容量は第1世代の512Mバイトから1Gバイトと倍に増やした。さらに従来は主記憶用のXDRメモリLSIをメイン基板に直接実装していたが,今回のCRS2ではDIMMスロットを設けそこにXDRメモリを実装した。
また,リファレンス・セットの電源管理用として従来は,「システム・コントローラ」と呼ぶ別基板をPCIスロットに挿入して用いる必要があった。今回はこれに当たる機能をメイン基板上に直接実装した。このためPCIスロットの空きが一つ増えたという。メイン基板にはこのほか,東芝が開発したCell向けのブリッジLSI「Super Companion Chip」が搭載されている。
インタフェースは,PCIやPCI Express,HDMI,AVインタフェース,GビットEthernet,USBなど。地上デジタル・チューナーなどはAVインタフェースを介して接続する。