シャープは「CEATEC JAPAN 2007」に,液晶テレビ「AQUOS」向けの新しいインターネット・サービス「Yahoo! HD for AQUOS」を参考出展した。ヤフーと共同で開発したもので,WWWサイト「Yahoo! JAPAN」から地図や写真などの情報を取得し,テレビに表示するものである(図1)。
「1920×1080画素という液晶パネルの画素数を生かしたインターネット・サービスとはどのようなものか,と議論を重ねながら開発を進めた」(シャープの説明員)。国内のテレビ・メーカーが対応を進めるテレビ向けポータル・サービス「アクトビラ」用のWWWブラウザーは利用する画素数が固定である。高解像度のパネルの全画素を使えるようになれば,より多くの情報を詰め込んだり,高度な表現ができたりすると考えた。
Yahoo! HD for AQUOSの実現に向けてシャープとヤフーは,サーバーとテレビとの間でどのような形式で情報をやり取りするかを決めたという。今回試作したサービスでは,2次元のベクター画像を表現するためのXMLベースの言語「SVG」で記述したデータを取得し,それを全画面に表示するWWWブラウザーのようなソフトウエアをテレビに実装した。アクトビラ用のWWWブラウザーやデータ放送用のBMLブラウザーなどと別に実装する形態である。このソフトウエアは,ユーザーのリモコン操作に応じて,新たなSVGデータをサーバーから取得する。
テレビからの要求に応じてSVGデータを返すサーバーは,ヤフーなどのコンテンツ提供者が用意することを想定している。このサーバーはテレビからの要求に応じて,通常のパソコン向けWWWサイトのコンテンツをテレビ向けSVGデータに変換し,それを送信する役割を果たす。
今回の展示でシャープは,地図情報を提供するサービスや,絵本を表示するサービスなどを見せていた(図2,図3)。「テレビはリビング・ルームに置くため,家族など数人で見ることが多い。数人で一緒に見ながら会話が弾むようなコンテンツが向きそうだ」(シャープの説明員)。