図1 試作した緑色レーザ。200mm×15mm程度の台の上で構成できる。
図1 試作した緑色レーザ。200mm×15mm程度の台の上で構成できる。
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図2 3つの光学素子を搭載したモジュール
図2 3つの光学素子を搭載したモジュール
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図3 光ファイバを応用した素子。ファイバをフェルール内に入れて両端面にミラーを蒸着している。
図3 光ファイバを応用した素子。ファイバをフェルール内に入れて両端面にミラーを蒸着している。
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 住田光学ガラスは青色半導体レーザと光ファイバを組み合わせた緑色レーザを試作した。発振波長は522nmで出力は約5mW。同種の組み合わせで,既に同社は白色光源を開発済み(Tech-On!関連記事)。この白色光源の技術を利用しつつ,光学部品のモジュール化や,光ファイバを応用した素子を開発することで小型化を実現した。従来の白色光源を作り込むのに必要な面積の「約1/4以下にした」(同社)という。200mm×15mm程度の台の上で緑色レーザを構成できる(図1)。

 元となった白色光源では,波長変換材料としてPrをコアに添加した光ファイバを使う。青色半導体レーザから出射した青色光を光ファイバに吸収させると緑色光や赤色光が発生する。この光ファイバの両端にミラーを取り付け,共振器として利用して緑色光と赤色光をレーザ発振させる。こうして発生させた緑色レーザ光と赤色レーザ光に,元の青色レーザ光を混色して白色光とする仕組み。今回は緑色レーザ光だけを取り出した。ファイバでの変換効率は約10%で,光源の青色半導体レーザの光出力は50mW程度。青色レーザの発振波長は442nmである。

3つの光学素子を搭載

 光学系モジュールは,青色レーザと光ファイバを利用した素子の間で利用する。(1)青色レーザ光を平行光にするコリメート・レンズ,(2)平行光のビーム形状を楕円から円形に近づけるプリズム,(3)青色レーザ光を集めてファイバのコアに入射させる集光レンズ,を搭載する。(1)(2)(3)の順番で青色レーザ光は進行する。(1)(3)のレンズはいずれも非球面レンズである。モジュールは円筒形で,直径は14mmで長さは14mm(図2)。従来の白色光源では個別だった3つの光学素子をモジュール化して小型化した。

 光ファイバを応用した素子は,ファイバをフェルール内に固定し,かつ両端面にミラーを蒸着している(図3)。同素子の直径は2.5mmで,長さは20mm,30mm,40mmの3種類である。

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