ソニーは2007年9月4日に発表したデジタル・カメラ「DSC-T200」と「DSC-T70」について報道関係者に向けた体験イベントを開催した(製品のプレス・リリース)。今回の製品の一番の特徴は,笑顔を検出して自動で撮影する「スマイルシャッター」機能である。「笑顔」というシャッター・チャンスを逃さずに写真が撮影できるとする。この機能を搭載した理由について,デジタルイメージング事業本部 ソフトウェア技術部門 カメラ制御部 3グループの小川要氏は「(被写体が)笑ったら写真を撮りたいという発想自体は誰もが抱く夢。『スマイルシャッター』なんて,ドラえもんがポケットから取り出しそうでしょ?」と語る。顔検出という技術が確立したことで機が熟したと判断し,同機能を開発したという。

 スマイルシャッター機能の使用手順は次の通り。撮影モードでスマイルシャッターを選択し,被写体にカメラを向けて顔検出したところでシャッターを深押しする。すると,カメラが笑顔を検出しては自動でシャッターが切れるようになる。笑顔を検出する度にシャッターが切れ,6枚撮影したところで同機能が終了する。6枚撮影する前に終了したい場合は,シャッターをもう一度深押しする。

 同機能の開発に当たり,世界中の笑顔を解析したという。笑顔の程度を人が判断した上で「口角」「歯」「笑いじわ」「目」「頬」などのどこに笑顔の特徴があるのかをスーパーコンピュータを使って解析し,数値化した。この解析結果に基づき,デジタル・カメラで撮影している顔に対して笑顔かそうでないかを判定してシャッターを切っているという。CCDの映像から顔(笑顔)を検出して笑顔と判定し,シャッターを切って写真を撮影するまでの時間は,周囲の明るさにもよるが,およそ0.3秒以内という。筆者の場合,被写体の笑顔に気付いた頃には既に写真が撮れているという状態だった。

 イベントでは,CMに出演している香椎由宇さん,メリーアン 響さん,松田翔太さん,渡辺哲さんの4人が登場し,CM撮影時に実際に製品を使ったときの感想を話した。香椎さんは赤いDSC-T200を手にしながら「今も(スマイルシャッター機能を使って)写真を撮りたいくらいです。撮ることが楽しいです。笑顔を撮ったぞ,ということで勝ったような気分になれます。」と語った。渡辺さんは「自分で怒ってみたり笑ってみたりして実験しましたが,口元だけ笑っていてもシャッターは切れないんですよ」と,同機能の不思議さを強調した。さらに,自分撮りする際に同機能を使うことで「自分が見たこともないような自分のかわいい笑顔が撮れました。自分が見たことのない美しさ(?)を発見できると思います。」とした。

 今回の製品2機種はいずれも2007年9月21日に発売する。オープン価格で,同社ではそれぞれの実売価格がDSC-T200が4万8000円前後,DSC-T70が4万円前後になると見込んでいる。

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図1 CMに出演する,松田さん(左上),香椎さん(中央上),渡辺さん(右上),メリーアン響さん(下)。
図1 CMに出演する,松田さん(左上),香椎さん(中央上),渡辺さん(右上),メリーアン響さん(下)。
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図2 報道陣を前に,スマイルシャッター機能の実演も。
図2 報道陣を前に,スマイルシャッター機能の実演も。
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図3 香椎さんは「大人数を撮影する場合,(顔検出後)タッチ・パネルで人を設定すると,その人が笑わない限り,シャッターが切れないんですよ」と,スマイルシャッター機能を使うことで楽しみながら写真撮影ができると話す。
図3 香椎さんは「大人数を撮影する場合,(顔検出後)タッチ・パネルで人を設定すると,その人が笑わない限り,シャッターが切れないんですよ」と,スマイルシャッター機能を使うことで楽しみながら写真撮影ができると話す。
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