「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の新型である「PSP-2000」と旧型の「PSP-1000」を分解した技術者たちは ( Tech-On!の関連記事1 Tech-On!の関連記事2),プリント基板の次にPSP-2000とPSP-1000の液晶パネルに目をやった。

 PSP-2000では液晶ディスプレイ前面の金属部品がないことに気付く(図1)。軽量化のために省略したものと推測される。PSP-2000の液晶パネルの厚さは2.5mm,重さは26g。PSP-1000の液晶パネルの厚さは4.0mm,重さは49gであったため,PSP-2000用は1.5mm薄く,23g軽くなった(図2)。2.5mmという厚みに関しては,「最近の携帯電話機の液晶パネルの厚みと比べて特に薄いということはない」(分解に協力した技術者)という。

図1.PSP-2000(右)とPSP-1000(左)に搭載する液晶パネル。PSP-2000では液晶パネル前面のカバーがなくなっている。フレキシブル基板も小さい。
図1.PSP-2000(右)とPSP-1000(左)に搭載する液晶パネル。PSP-2000では液晶パネル前面のカバーがなくなっている。フレキシブル基板も小さい。 (画像のクリックで拡大)

図2.液晶パネルの厚さはPSP-2000(右)が2.5mm,PSP-1000(左)が4.0mm,1.5mm薄くなった。
図2.液晶パネルの厚さはPSP-2000(右)が2.5mm,PSP-1000(左)が4.0mm,1.5mm薄くなった。 (画像のクリックで拡大)

 PSP-1000の液晶ディスプレイ前面の金属カバーをはずしてみると,PSP-2000でのある変更点に気付いた(図3)。PSP-1000では液晶パネルのガラス端子部分に駆動用のICを4つ搭載している。一方,PSP-2000は,ガラス上に駆動用のICを搭載していない。どうやら,ゲート・ドライバやソース・ドライバなどの液晶パネルの駆動用回路をガラス基板上に形成しているとみられる。

図3.前面カバーを分解した状態のPSP-2000(右)とPSP-1000(左)の液晶パネル。PSP-2000の液晶パネルはガラス上に駆動用ICを形成しており,フレキシブル基板も小さい。PSP-1000の液晶パネルのガラス基板上には駆動用ICを搭載している。
図3.前面カバーを分解した状態のPSP-2000(右)とPSP-1000(左)の液晶パネル。PSP-2000の液晶パネルはガラス上に駆動用ICを形成しており,フレキシブル基板も小さい。PSP-1000の液晶パネルのガラス基板上には駆動用ICを搭載している。 (画像のクリックで拡大)

 さらに,液晶ディスプレイのバックライト部分を分解していく。ガラスの厚みはPSP-1000の1.4mmに対してPSP-2000は0.6mm(図4)。液晶パネルの薄型化の半分以上はガラス厚みの変更により達成しているようだ。

図4.液晶パネルのガラス厚みはPSP-2000(右)は0.6mm,PSP-1000(左)は1.4mm
図4.液晶パネルのガラス厚みはPSP-2000(右)は0.6mm,PSP-1000(左)は1.4mm (画像のクリックで拡大)

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