調査会社のIDC Japanは,国内のパソコン市場動向に関する今後の分析結果を発表した(発表資料)。

 外部記憶装置の傾向を見ると,HDDの容量は家庭向けパソコンでは大容量化が進んでいるが,企業向けのパソコンでは企業の内部統制強化などに対応するため,容量を制限する傾向にあるという。2006年には新たな外部記憶装置として,大容量のNANDフラッシュ・メモリを使ったSSD(solid state drive)が登場したが,今後SSDはノート・パソコンへの搭載が増加する見通しという。消費電力が小さいことや,可動部が存在しないことがその要因という。SSDの現在の容量当たりの単価はHDDに比べると高価だが,2011年には2.5インチHDDと容量当たりの単価が接近するとみる。このため,2011年にノート・パソコンへの搭載が大幅に増える見通しという。超小型機種を含むノート・パソコンにおけるSSDの搭載率は,2007年には5%にも満たないと見込むが,2011年には20%を上回るとIDC Japanは予測する。

ノート・パソコンの国内市場におけるSSD搭載率の予測
ノート・パソコンの国内市場におけるSSD搭載率の予測 (画像のクリックで拡大)

 家庭向けのデスクトップ・パソコンにおけるテレビ・チューナーの内蔵率は2006年第1四半期以降,減少傾向が顕著になっているという。IDC Japanはこの要因として,ワンセグ放送対応製品の登場や,パソコンでテレビを視聴するスタイルの変化などを挙げる。2007年第1四半期に出荷されたテレビ・チューナー内蔵のデスクトップパソコンは,デスクトップ・パソコン全体の出荷台数のうち35.5%だが,この割合が2011年には14.0%まで減少する見込みという。

 企業向けノート・パソコンのディスプレイは,現在は4対3の標準型が中心となっているが,今後はワイド型の採用が加速するという。IDC Japanは,2008年に標準型ディスプレイ搭載のパソコンとワイド型ディスプレイ搭載のパソコンの出荷台数の比率が逆転し,ワイド型ディスプレイ搭載製品が標準型ディスプレイ搭載製品を上回るとする。