ソニーは,2層のBlu-ray Disc媒体に約16時間のHDTV映像を記録できるレコーダー4機種を発売する(ニュース・リリース)。デジタル放送の映像信号をMPEG-4 AVC/H.264(以下H.264)方式に再圧縮することで,記録できる映像の長さを約3倍に伸ばした。発売日は2007年11月8日である。
いずれの機種も,H.264 Main Profileの圧縮方式に対応する符号化LSIを搭載する。これにより,メイン・チップが復号化したデジタル放送をMPEG-2方式からリアルタイムでH.264方式に再圧縮できる。H.264方式の映像の復号化はメイン・チップが担う。
*1 ディスク1枚で16時間の録画が可能になるのは,符号化速度を6Mビット/秒に指定した場合である。
記録媒体であるBD-R/-REへの記録速度は,単層,2層とも4倍速に対応する。符号化速度6Mビット/秒のH.264方式でHDDに録画した場合,1時間の番組を3分でダビングできる。
今回発売するのは「BDZ-T70」「BDZ-T50」「BDZ-L70」「BDZ-X90」の4機種。BDZ-L70は,デジタル・ビデオ・カメラやデジタル・カメラで撮影した映像や写真をボタン一つでHDDにダビングできる「ワンタッチダビングボタン」や,DLNAサーバー機能「ルームリンク」を持つ。ただし,DLNAで送信できる映像はMPEG-2方式のみで,H.264方式で録画した映像は共有できない。BDZ-X90はこれらの機能に加え,1080i映像を1080p映像に変換するLSI「DRC-MFv.2.5」を搭載するなど,AV機能を強化している。
もうDVDレコーダーは出さない
ソニー 代表執行役副社長の井原勝美氏は,記者会見の席上で「ソニーの国内レコーダーは,今後すべてBlu-ray Disc対応とする」と宣言した。今後,Blu-ray Disc記録機能を搭載しないDVDレコーダーは新規開発しないという。ソニーの国内向けレコーダーのラインアップをすべてBlu-ray Disc対応とすることで,Blu-ray Disc規格を一気に普及させたい考えだ。