米国の特許法を見直す法案が2007年9月7日に米連邦議会下院を通過した(同法案の状態WWWサイト)。この法案は「Patent Reform Act of 2007」(法案番号H.R.1908)と呼ばれるもの。同法案には米国特許法を現在の先発明主義から先願主義に転換するほか,特許を無効にするプロセスを変更するといった複数の重要な項目を含む。

 米国最高裁判所は2007年4月30日に米国特許の評価法を大きく変更する判決を下した(Tech-On!関連記事)。今回の米下院の働きは,この流れに沿うもので,米国が強い姿勢で特許法を見直す考えであることを示している。

 米国のハイテク大手のうち,米Apple Inc.や米Cisco Systems, Inc.,米Google Inc.,米Microsoft Corp.などは,Patent Reform Act of 2007を支援している。これらの企業は,特許訴訟の数の多さや特許侵害による損害賠償額が拡大する現状を憂慮しており,特許侵害の範囲を狭めたり,損害賠償額を制限する可能性がある内容をこの法案が含むからだ。

 一方で,米Bristol-Myers Squibb Companyや米Eli Lilly and Company,英GlaxoSmithKline plcといった大手製薬会社や米Motorola, Inc.,米Texas Instruments Inc.などは今のところ,Patent Reform Act of 2007に反対という立場を取っている。

 米国の場合,法案が法律として成立するためには今後,米連邦議会上院を通過する必要があるほか,米大統領の同意も必要になる。H.R.1908と同じ内容の法案(法案番号S.1145)は米上院にすでに提出されている。S.1145は2007年7月19日に上院司法委員会を通過している。

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