中国における複合機の販売台数の予測
中国における複合機の販売台数の予測
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 調査会社のインフォトレンズは,2006年の中国における複合機市場の調査結果を発表した(PDFの発表資料)。この調査における複合機はプリンターやコピー,ファクス,スキャナーなどの機能を2種類以上搭載した複合機を指し,シート・フィード式のコピーやファクス機能を持つ製品および熱伝写式の複合機は含まない。

 2006年の中国における複合機の販売台数は対前年比51.6%増の152万9000台。販売金額は同40.1%増の54億元だった。今後数年間,中国の複合機市場は急成長を続け,2006~2011年の販売台数における年平均成長率(CAGR)は29.7%,販売金額における成長率は15.4%に達する見通しという。この予想が現実になれば,2011年における販売台数は561万台,販売金額は110億5100万元になる。

 インフォトレンズは,この成長の要因を「中国において複合機が,事務機器を購入する際の第1選択肢になってきているため」と分析する。この複合機市場の需要拡大を受けて,メーカーはそれぞれ販売促進キャンペーンや宣伝活動を拡大しているとする。

 2006年におけるメーカー別シェアを見ると,台数ベースでは米Hewlett-Packard Co.が首位を占めた。その他の上位メーカーは中国Lenovo Group Ltd.,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,ブラザー工業,松下電器産業,米Lexmark International, Incなどである。金額ベースでは,東芝やコニカミノルタ,シャープ,富士ゼロックス,リコー,キヤノンなど日本メーカーが成長し,HP社や松下電器産業と同水準のシェアを獲得した。

 印字方式別に販売台数のシェアを見ると,インクジェット方式が43.9%で,電子写真方式が56.1%。前年からの販売台数の成長率はインクジェット方式が54.3%,電子写真方式が49.5%である。また,2006年は複写機メーカーが,市場競争に対応するため複合機の販売比率を増やし,複写機ベースの複合機の販売台数が伸びたという。インフォトレンズは,今後電子写真方式の複合機の販売台数は高い成長率を維持すると予測するが,インクジェット方式の複合機の成長率よりはやや低い成長にとどまるとみる。

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