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東北大学,ナトリウムを利用し炭化ケイ素セラミックスを700℃で合成

2007/09/07 17:42
荻原 博之=日経ものづくり
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図1◎合成されたナノ粉体の透過型電子顕微鏡写真。
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図2◎円盤状に成形した混合原料粉末より作製した炭化ケイ素の多孔体。
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図3◎図2の多孔体の破断面の走査型電子顕微鏡写真。
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図4◎バルサ材から作製された炭化ケイ素セラミックスの破断面の走査型電子顕微鏡写真。
図4◎バルサ材から作製された炭化ケイ素セラミックスの破断面の走査型電子顕微鏡写真。
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 東北大学多元物質科学研究所はこのほど,ナトリウムを利用することでシリコンと炭素が700℃という低温で反応し炭化ケイ素を生成する現象を発見した。炭化ケイ素は,高温強度/耐摩耗性/耐食性に優れる非酸化物系セラミックスで,高温構造部材や半導体製造装置部品,ディーゼル車の排ガス浄化用フィルタなどに利用されている。ただ,その製造には1200℃を超える高温を要すことから,低温で効率的に製造できる手法の開発が望まれていた。

 今回,東北大が開発した手法は三つある。第一は,シリコン粉末と炭素(非晶質炭素またはフラーレン)粉末を混合し,アルゴンガス雰囲気中で金属ナトリウムと共に700℃に加熱する手法。この過程で得られるのは,粒径が数十nmの炭化ケイ素ナノ粉体。これは,炭化ケイ素セラミックス焼結体の製造用原料粉末として使える(図1)。

 第二は,シリコン粉末と炭素粉末を混合し金型に入れて加圧成形したものを,やはりアルゴンガス雰囲気中でナトリウム蒸気と共に700℃で加熱する手法。成形体の形状を保ったまま炭化ケイ素の多孔体が作製されたことから,さまざまな形状の炭化ケイ素多孔質フィルタの製造が可能となりそうだ(図2,3)。

 第三は,炭化した木材(バルサ材および檜材)を金属ナトリウムとシリコンと共に700℃で加熱する手法。植物の細胞壁の形状を持った炭化ケイ素セラミックスバルク体が作製されたという(図4)。この手法を使えば,生体組織をはじめ,人工的にデザインした炭素質の構造体を,その形状や形態を保持したまま炭化ケイ素に転換することができる。

 これら三つの手法で生成した炭化ケイ素はいずれも,立方晶系で閃亜鉛鉱型構造であるβ型だったという。なお,今回の成果は,2007年9月12〜14日開催の日本セラミックス協会秋季シンポジウム(名古屋工業大学)で発表される予定。

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