米Broadcom Corp.は,独占禁止法に違反したとして同社が訴えていた米QUALCOMM,Inc.との訴訟において,米国第3巡回控訴裁判所が米国ニュージャージー州連邦地方裁判所が下した判決の一部を差し戻したと発表した(発表資料)。

 この訴訟は,QUALCOMM社が携帯電話機用チップセットの市場に対していくつもの反競争的行為をして,米国の独占禁止法に違反しているとして,Broadcom社がニュージャージー州連邦地方裁判所に2005年7月に訴えていたもの(Tech-On!の関連記事)。加えてBroadcom社は,QUALCOMM社が携帯電話機の業界標準に対応する技術ライセンス契約を,公正,合理的かつ差別のない条件で結ぶという約束を破ったと主張していた。この訴訟でBroadcom社は,QUALCOMM社の特許使用料の廃止,3倍の金額の損害賠償と弁護士費用の負担,QUALCOMM社の反競争的行為の終結を求めていた。ニュージャージー州連邦地裁は,2006年にBroadcom社の訴えを棄却したが,今回の巡回控訴裁判所の決定はこれを覆すもの。

 巡回控訴裁判所は今回,ニュージャージー州連邦地裁が棄却したBroadcom社の申し立て8件のうち2件を連邦地方裁判所に差し戻した。巡回控訴裁判所は,「QUALCOMM社が独占禁止法に違反しているかどうかの前に,特許保有者が不正行為を働いていないかに関して重大な疑問がある」としている。

 一方QUALCOMM社は,差し戻された2件の申し立てについて積極的に争う姿勢を明らかにした。同社は,「Broadcom社が訴えたすべての申し立てに対して,最終的にはQUALCOMM社の主張が通ると確信している」とした(発表資料)。

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