図1:FrameFree Stageの「応援団長」に就任したタレントの竹原慎二氏。
図1:FrameFree Stageの「応援団長」に就任したタレントの竹原慎二氏。 (画像のクリックで拡大)
 モノリス(本社・東京)は,2枚以上の画像データから動画が作れるサービスを同社のWebサイト「FrameFree Stage」で提供する。このサイトは,2007年9月5日にオープンした。2枚の画像が様々な変化をしながら入れ替わることにより,静止画を動画として表現する。

 同サービスは,主にブログの作者などを対象にしたもの。FrameFree Stageでは,画像や動画加工に関する知識がなくても,複数の画像データをもとに動画を作成できる。作成した動画は個人のブログなどで使用できる。同サイトは,こうして作成した動画をすべて公開しているので,動画共有サイトとしての側面も持つ。

 動画は,モノリスの映像作成技術「FrameFree」を使って作成する。同社が販売していた同様の機能を持つソフトウエア「FrameFree Studio Express」を,オンライン上で無料で使用できるようにした。

「中間画像」を計算して動画を作る

 利用者は,モノリスのサイトにアクセスし,PC内などに保存した複数の画像をドラッグ・アンド・ドロップでサイト上に横一列に並べる(図2)。すると,隣り合う2枚の画像がスムーズに変化するように,複数の「中間画像」を自動的に作成,それらをつなぐことで静止画が動画になる。さらに,画像が変化する過程は,モーフィング(滑らかな変化)や破裂した画像から次の画像が飛び出してくるバーストなどの映像効果を設定できる(図3)。動画に文字を追加したり,音楽を流したりといったことも可能だ。

図2:ドラッグ・アンド・ドロップで写真を配置。
図2:ドラッグ・アンド・ドロップで写真を配置。 (画像のクリックで拡大)

図3:動画に回転の効果を追加する。
図3:動画に回転の効果を追加する。 (画像のクリックで拡大)

 FrameFreeの名前の由来は,作成する動画が,MPEGなどの動画形式と異なりあらかじめ多数のフレームを用意していないことにある。エンコードの際には,2つの画像の色や明るさの違いに関する数KBの「マップデータ」を作成する。デコード時には,画像データとマップデータから中間画像をその都度作成し,動画として表示する(図4)。画像データを圧縮することにより,完成した動画ファイルのサイズは,使用した全ての画像のデータの合計よりも小さいものとなる。MPEGなどと比べても,極めて小さいファイル・サイズになるという。

図4:動画を再生している様子。
図4:動画を再生している様子。 (画像のクリックで拡大)

 サイト内で作成した動画は,モノリスのサイト上に保存・公開した後に,ブログなどからリンクをはって使用する。FrameFree Studio Expressを持っていれば,作成したファイルを自分のPCなどに保存できる。モノリスでは,今回のサイトのオープンにあたって,これまで有料で販売してきたFrameFree Studio Expressを,2007年12月31日までの間,6カ月ライセンス版として無料で配布するという。

製品版の販売やサイトの広告を収益源に

 モノリスは,収益モデルとして次の3つを想定しているという。1つめは,FrameFree Studio Expressの上位バージョンである「FrameFree Studio Pro.」の販売だ。FrameFree Studio Expressが動画作成時に2つのレイヤーを使用できるのに対し,FrameFree Studio Pro.は4つのレイヤーを使用できるなどの特徴がある。レイヤーには,たとえば文字情報や背景だけの画像データを個別に設定できるが,動画内ではその各レイヤーを別々に変化させるられる。2つめは,個人や企業の所有するサイト上でFrameFreeによる動画作成を可能にするSDK(Software Development Kit)「FrameFree Advanced SmartMorph」の販売・サポートによる収益。3つめは,FrameFree Stageの広告収入によるものだという。

 さらに,FrameFreeで使用している圧縮技術に改良を加え,「FrameFree Video」という名称で製品化することも目指す。現時点(2007年9月5日)で,すでにH.264と同等の圧縮率を実現しているという。今後さらに,圧縮率や圧縮法を改良していくという。

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