三洋電機は,使い捨てではない電池を用いる電気製品群「eneloop universe」の第2弾として3製品を発表した(ニュース・リリース)。USB端子を使って充電する,いわゆるUSB充電する携帯機器などに向けた補助電源用2次電池3機種(KBC-E1S,KBC-L2S,KBC-L3S)と,充電式カイロ「KIR-S2S」,充電式アンカ「KIR-S4S」である。いずれも2次電池を利用した製品で,使い捨ての電池を使用しないというeneloop universeのコンセプトに基づいた製品とする。

 今回の補助電源用2次電池は,パソコンなどのUSB mini B型入力端子から2次電池に充電し,USB A型出力端子を使って機器に放電する。USB充電に対応する携帯電話機やゲーム機,携帯型音楽プレーヤーなどの補助電源に向ける。KBC-E1Sは2次電池として同社の単3形Ni水素2次電池「eneloop」の「HR-3UTG」を2本採用しており,eneloopの充電器としても利用できる。KBC-L2SとKBC-L3Sは専用のLiイオン2次電池を採用する。KBC-L2Sのみ,付属品のACアダプタを使って交流100V電源から充電することも可能である。KBC-L2Sは出力用のUSB端子を2個備えており, 2台の機器を同時に充電できる。給電時間はいずれも直流5V,500mAを出力した場合,KBC-E1Sは約70分,EBC-L2Sは1端子で約240分,2端子同時で約120分,KBC-L3Sで約120分である。

 充電式カイロは専用のLiイオン2次電池を使った製品で,2006年に発売した製品の改良版に当たる。初代機は1万台を数量限定で試験的に発売したところ,ネット通販を中心に短期間で売り切れとなった。再販の要望が高かったため,今回の販売再開に至ったという。主に三つの改良を加えた。弱運転時の温度を1℃下げた約39℃にすることで,弱運転時の駆動時間を1時間ほど長い約7時間とした。充電時間については,付属ACアダプタの出力電流を0.55Aから1Aに増やすことで,約5時間から約3時間に短縮できた。このほか,LEDで電池残量を示す機能を加えた。2007年9月~2008年3月で7万台の販売を見込む。

 充電式アンカは,最近女性の間で湯たんぽが密かなブームになっていることなどをヒントに開発したという。専用のNi水素2次電池を採用しており,約44℃の強運転で8時間,約40℃の弱運転で10時間稼働できる。屋外で利用する場合やペットが利用する場合を想定し,生活防水に相当する防水仕様「JIS IPX4」を満たした。

【申し入れ】記事初出時,3段落目に「付属ACアダプタの出力電流を1Aから3Aに増やすことで,」としておりましたが,三洋電機より発表会中の説明に誤りがあったとの申し入れがありました。この申し入れを受け,「付属ACアダプタの出力電流を0.55Aから1Aに増やすことで,」と修正いたしました。

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図1 左から充電式カイロ「eneloop kairo」3色(ピンク,白,黒),補助電源用2次電池「eneloop mobile booster」の「KBC-L3S」,充電式アンカ「eneloop anka」,補助電源用2次電池の「KBC-L2S」と「KBC-E1S」。いずれの製品もオープン価格で,三洋電機による想定価格はカイロが4000円,アンカが約1万5000円,補助電源用2次電池はKBC-L3Sが約4000円,KBC-L2Sが約5000円,KBC-E1Sが約3000円である。
図1 左から充電式カイロ「eneloop kairo」3色(ピンク,白,黒),補助電源用2次電池「eneloop mobile booster」の「KBC-L3S」,充電式アンカ「eneloop anka」,補助電源用2次電池の「KBC-L2S」と「KBC-E1S」。いずれの製品もオープン価格で,三洋電機による想定価格はカイロが4000円,アンカが約1万5000円,補助電源用2次電池はKBC-L3Sが約4000円,KBC-L2Sが約5000円,KBC-E1Sが約3000円である。
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