ドイツOSRAM GmbHと韓国Seoul Semiconductor Co., Ltd.は,可視光を発するLEDに関連する特許について,クロスライセンス契約を締結した。この契約には,OSRAM社の子会社で大手LEDメーカーのドイツOSRAM Opto Semiconductors GmbHが保有する関連特許も含む。白色LED関連やパッケージ関連の特許もクロスライセンス契約の対象範囲に入っている。今後,互いの特許を活用し合うだけでなく,今回の契約の対象となる特許について第3者との間で係争が生じた場合には,Seoul Semiconductor社とOSRAM社が共同で特許を保護していくとする。

 今回のクロスライセンス契約によりSeoul Semiconductor社は,例えば白色LEDに関してOSRAM Opto社が保有する波長変換技術を使えるようになる。ここでいう波長変換技術は,InGaN系半導体を使った青色LEDチップと蛍光体材料を組み合わせて白色LEDを構成するために用いるものである。OSRAM Opto社はこのような白色LEDに関する特許について,ロームやシチズン電子,台湾Everlight Electronics Co.など複数のLEDメーカーにライセンス供与している。一方,OSRAM Opto社は今回のクロスライセンス契約によって,Seoul Semiconductor社が保有するパッケージ技術を使うことができる。

 LED業界内には,日亜化学工業とOSRAM Opto社,米Cree,Inc.が有力な白色LED関連特許を保有しているという見方がある。Seoul Semiconductor社は2006年5月9日,米Cree, Inc.と白色LED関連特許を互いに提供するクロスライセンス契約を締結済み。今回の契約により,Seoul Semiconductor社はこのうち2社とクロスライセンス契約を締結したことになる。日亜化学工業については現在,米国で係争中である。

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