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クルマもデジタル・アンプ時代へ,日本TIが車載向けデジタル・オーディオ・アンプを発売

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2007/08/29 19:35
狩集 浩志=日経エレクトロニクス

 日本TIは2007年8月28日に発表会を開催し,電力効率が90%と高く,AM受信妨害対策の機能を備えたデジタル・オーディオ・アンプ「TAS5414」「TAS5424」(データシートはこちら)の量産を開始したと発表した。車載向けのD級アンプである。

 デジタル・アンプは家庭用AV機器では本格的に採用されてきたが,車載用途ではラジオのAM放送との干渉問題からEMI対策が必要でこれまで搭載されていなかった。同社は,車載向けに出力段のスイッチング制御をより高精度化したほか,Si基板の銅配線上の任意の位置から信号線を直接取り出す技術を使い,FETまでのリードを短くし,インダクタンスを小さくすることで,EMIを抑えたという。

 さらに,キャリア周波数の2次,3次の高調波はLCフィルタで十分抑制できないことから,357kHz,417kHz,500kHzの三つのキャリア周波数を選択可能とし,AM放送の受信周波数に合わせて,キャリア周波数を切り替えるAM受信妨害対策の機能を付加した。

 自動車の純正オーディオでは現在,これまでの4チャネルのスピーカ・システムから高級車を中心に6〜24チャネルのスピーカ・システムを搭載する傾向にあり,従来のアナログ・アンプでは消費電力の問題と発熱量によるアンプの大型化の問題が顕在化しているという。

 今回発売したデジタル・アンプは,FETのオン抵抗が75mΩと小さいことから,90%以上の電力効率を確保している。特に,自動車で利用することが多い最大音量の1/8〜1/3の範囲においてアナログ・アンプは電力効率が非常に低く,デジタル・アンプはアナログ・アンプの1/7の電力損失で済むという。

 日本TIでは,デジタル・アンプはアナログ・アンプに比べて発熱量が小さくなり,小型のヒートシンクや簡易な冷却システムで放熱できることから,多チャネル化してもこれまでのようにアンプを外付けせずに車載機器へ内蔵できるとみている。

 TAS5414はシングルエンド入力でパッケージは36ピンのPSOP,TAS5424は差動入力で44ピンのPSOPとなる。両製品とも4チャネルのスピーカに対応可能で,最大出力は45W(4Ω負荷時),電源電圧は8〜22V,動作温度範囲は−40〜+105℃となる。価格は1000個受注時で9.35〜10.5米ドルである。

 日本TIでは今後,低価格品のサンプル出荷を2007年内に目指すほか,高耐圧品の製品化を計画している。

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