デジタルコンテンツ協会は,映像や音楽,ゲーム,図書・画像などにおけるデジタル・コンテンツの市場規模と動向をまとめた「デジタルコンテンツ白書」の2007年版を発刊した。同白書によると,2006年におけるデジタル・コンテンツの国内市場規模は対前年比8.3%増の2兆7699億円で過去最高。「インターネット配信や携帯電話配信によるコンテンツ流通の定着化と利用者の増加が,市場規模の拡大を後押しした」(デジタルコンテンツ協会)。2007年も引き続き成長する見通しで,同10.7%増の3兆663億円になると見込む。なおデジタル化していないものを含めた2006年のコンテンツ産業全体の市場規模は,13兆9890億円である。


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 デジタル・コンテンツの流通経路を「パッケージ流通」「インターネット流通」「携帯電話流通」の三つに分類すると,2006年におけるそれぞれの割合は順に67.5%,16.7%,15.9%となっている。2005年におけるこれらの割合は,70.5%,14.0%,15.5%だったことから,パッケージ流通の比率が下がる一方,いわゆるネット系のインターネット流通と携帯電話流通が伸ばした。


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 インターネット流通と携帯電話流通の内訳をみると,その市場シェアが縮小した品目が携帯電話機に向けた音楽配信である。着メロ・着うた・着うたフルが対象となっており,これらの売上高は2005年に1610億円だったが,2006年には1602億円と微減となった。もっともインターネット流通における音楽配信は同42.1%増と大幅に伸ばしており,音楽配信はパソコンで入手して楽しむ層が増えていることがうかがえる。

 携帯電話流通で大幅な成長を記録したのが,電子書籍である。「なかでもマンガの配信市場が急速に伸びている」(デジタルコンテンツ協会)という(デジタルコンテンツ白書2007の紹介ページ)。2006年における携帯電話機向け電子書籍市場は,対前年比331.3%増の69億円だった。

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