CSRセミナーの様子
CSRセミナーの様子
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 ソニーは,ソニーセミコンダクタ九州 熊本テクノロジーセンター(熊本TEC)の第2工場棟に導入した熱源システムのCOP(coefficient of performance)が年間平均7.5と高いことを明らかにした。2007年8月6日にソニーが開催した「CSRセミナー」で発表した。COPは,入力エネルギーに対する出力エネルギーの比率で,値が大きいほど効率が高いことを示す。一般的な電動式の熱源システムのCOPは年間平均3.09であるとする。熊本TEC第2工場棟に導入したシステムのCOPは,この値の約2.4倍に当たる。

 熊本TECは,CMOSセンサなど撮像素子の製造拠点であり,2001年10月に稼働を始めた(Tech-On!関連記事) 。2006年5月には第2工場棟が完成した。この第2工場棟に導入した熱源システムの詳細な性能検証を1年にわたり進めた結果,今回のような優れた結果が得られたという。同工場のCO2排出量は年間5235トン。一般的な電動式の熱源システムを導入する工場(改修前の鹿児島テクノロジーセンター)と比較すると,約83%も少ないとする。

 熊本TEC第2工場棟に導入した熱源システムは,冷水と温水を2系統化し,すべてのポンプにインバータ制御を採用。排熱回収冷凍機を温水用に積極活用するなどして,効率を高めたという。

 熱源システムの温室効果ガス排出量は,事業所からの同ガスの全排出量の約30%に当たるため,同ガス排出量を削減する最も有効な手段として対策に取り組んでいる。2006年度にソニーが事業所から排出した温室効果ガスの量は202万8000トン(CO2換算)。2000年度比で9%削減した。今後,製造規模の拡大による同ガス排出量の増加が想定されるものの,省エネ施策の実施により,2010年度に2000年度比で7%の削減を目指す。

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