電子機器と半導体の世界市場における出荷金額の成長率の予測
電子機器と半導体の世界市場における出荷金額の成長率の予測
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 米iSuppli Corp.は,世界の電子機器市場の実績と予測を発表した(発表資料)。過去3年間に電子機器市場は大きく成長し,世界全体の出荷金額は,2004年が前年比11%増,2005年が同8.0%増,2006年が同7.7%増だった。パソコンや携帯電話機,MP3プレーヤー,デジタル方式のテレビといった家電製品の出荷が伸びた。しかし,2007年の電子機器市場の成長はわずかに減速するとiSuppli社は予測する。パソコン市場は堅調だが,無線通信機器や家電,産業向け機器の市場の冷え込みが影響して,6%程度の成長にとどまるという。

 パソコン市場では,デスクトップ・パソコンに2006年から若干の減速が見られるが,ノート・パソコンの出荷台数は依然として高い水準を保っている。2007年前半のノート・パソコンの需要も堅調で,ノート・パソコン市場の成長は,2007年も続くとみる。2007年第2四半期のパソコン市場全体では,例年の第2四半期よりも大きな伸びを見せた。

 2007年の携帯電話機市場は引き続き好調で,出荷台数は前年比で10%増加すると見込む。しかし,出荷金額は平均販売価格の下落が続いていることから,5%程度の増加にとどまる見通しだ。

 2006年の無線通信向け半導体の出荷金額は前年比14.2%の増加となった。携帯電話機の出荷台数が20.7%伸びたことが影響した。2007年の出荷額は,携帯電話機の出荷台数が10%の成長に減速するため,2006年と比べて7.7%増加すると予測する。

2006年の家電市場の成長率は前年比で1/3に

 過去4年間に渡って好調だった家電市場の需要も減速している。2006年の家電の世界出荷額の成長率は,前年の約1/3にあたる9%に低下した。2007年の家電市場の成長率は,平均販売価格の下落が続いていることなどが影響して,さらに5.2%まで低下する見通しだ。

 2006年の産業向け市場は,軍事関連や航空・宇宙関連,医療,半導体製造装置の市場が大きく成長したことから,出荷金額が前年比で8%増加した。しかし,2007年は特に半導体製造装置が伸び悩むとみる。2007年の産業向け市場全体の出荷金額は,前年比で5.8%増加すると予測する。

2007年後半の電子機器市場は12%の成長に

 2007年前半の電子機器市場は,2006年後半と比べて鈍化した。ただし,このような動きは季節要因によるパターンだという。パソコンや携帯電話機,家電市場などは例年,上半期に比べ,下半期に大きく成長する。この傾向に反するのは産業向け市場で,同市場は一般的に下半期より上半期の方が伸びが大きい。2007年も同様の動きとなる見込みで,上半期の成長率は4%,下半期の成長率は2%と予測する。電気機器市場全体では,2007年後半の出荷金額が前年同期比12%増,通年の出荷金額が前年比6%増となる見通しだ。

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