図1 2010年度に売上高を1.5倍にする
図1 2010年度に売上高を1.5倍にする
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図2 フォトカプラの市場の予測
図2 フォトカプラの市場の予測
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図3 GaAs製スイッチICの市場の予測
図3 GaAs製スイッチICの市場の予測
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図4 NECエレクトロニクスの売上高構成
図4 NECエレクトロニクスの売上高構成
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 NECエレクトロニクスは,化合物半導体事業の2010年度の売上高を750億円に引き上げる計画を発表した(図1)。2006年度の約1.5倍に相当する。中でもフォトカプラは売上高を2倍に,GaAs製スイッチICは同3倍にする計画である。フォトカプラのシェアを2010年度に17%に,GaAs製スイッチICのシェアを2008年度に25%とし,いずれも業界1位を目指すという。フォトカプラではFA機器などの産業機器やデジタル・テレビなどの民生機器に向けた伝送速度1Gビット/秒以上の高速品,GaAs製スイッチICでは携帯端末などに向けた小型・薄型品を中心に生産能力を強化する。設備投資額の詳細を明かさないものの,「3桁(100億円)にはいかない金額」(NECエレクトロニクス 化合物デバイス事業部長の水野博文氏)という。

フォトカプラ市場は年率8%で伸びる

 同社は,フォトカプラの市場が今後年率8%で伸び,2009年度には1000億円を超えると予測する(図2)。中でも高速品が年率14%と伸びるという。高速品を採用する液晶テレビやPDP,FA機器などが順調に伸びているためである。そこで高速品を中心に,2007年度中に10品種を投入する。2010年度にはフォトカプラ全体の生産量を2年以内に月産2億個にしてシェアを17%にし,業界一位になることを目指す。現在の生産量は明かさないものの,「月産2億個から10数%少ない量」(NECエレクトロニクスの水野氏)だという。

小型・薄型GaAs製スイッチICの生産能力を10倍に高める

 GaAs製スイッチICの市場に関しては,今後年率15%で伸び,2010年度には320億円~330億円になると予測する(図3)。中でもパソコンなどの無線LAN搭載機や携帯電話機などに向けた小型・薄型品は年率85%で伸び,全体の60~70%を占めるようになるという。そこで2007年度には小型・薄型品の生産能力を月産約1200万個と,2006年度の約10倍に引き上げる計画。2007年7月で,既に月産約800万個に到達しているという。2006年度の40品種から2008年度には60品種にする計画である。

 同社の化合物半導体事業の売上高は,NECエレクトロニクスの売上高の約8%を占める(図4)。現在海外での売り上げが伸びており,2006年度の実績で56%を占める。特にアジア地区での伸びが著しいという。既に化合物半導体事業の約40%に到達している。

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