カシオ計算機の2007年4月~6月期連結決算は大幅な減益になった(PDF形式の発表資料)。売上高は前年同期比5.9%減の1190億5100万円,営業利益は同77.7%減の12億3600万円,純利益は同20.0%減の21億2600万円である。

 ブレーキになったのは携帯電話機事業だ。売り上げが170億円ほど減って前年同期の約1/2に縮小し,営業利益は56億円の減少となっている。ただし,これは主に4月~6月期に投入予定だった新機種をauの計画変更により7月~9月期に投入することになったため。さらに,W-CDMA方式の端末開発を本格化させたことによる経費増も減益要因になった。事業そのものは堅調に推移しており,7月~9月期にはこの4月~6月期の約3倍の売り上げを見込む。全社の業績予想も中間期,通期ともに修正はなく,増収増益を見込んでいる。

 デジタル・カメラの販売台数は約127万台だった。有効画素数1010万のコンパクト機「EX-Z1050」の販売が国内外で好調だ。カシオ計算機のデジタル・カメラの売り上げ比率は22%が国内向けで,78%が海外向け。海外向けは特に伸びが大きく,前年同期から25%ほど売り上げを伸ばしたという。

 デバイスその他事業は約9億円の赤字だった。はんだバンプなどの半導体関連部品を扱う連結子会社であるカシオマイクロニクスが,26%の増収ながら約3億5000万円の営業損失を計上した。赤字は主にCOF(chip on film)の単価下落によるもの。カシオ計算機は子会社の赤字について「業績回復の途上にあるためで,当期の業績としては計画通り」としている。

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