キャッツは2007年7月31日,モデル開発が可能なCASEツール「ZIPC 9.1」を発表した(発表資料12)。ZIPCは状態遷移表による記述を中核に,動作のシミュレーションや状態のモレやヌケのチェックなどを実施できる。9.1版の最大の特徴は欧州の自動車業界団体MISRAが制定した車載用のソフトウェアを対象としたC言語プログラミングのガイドライン「MISRA C」に準拠したことという。

 ZIPCは1990年に最初のバージョンが発売されて以来,デジタル家電や携帯電話機などの組み込み開発を中心に使われているという。複数階層の表を用いた状態遷移記述によるモデリングが特徴で,この状態遷移表に基づいて動作のシミュレーションやデバッグなどが可能である。状態遷移図を用いた状態記述機能も備えている。生成したモデルからコードを生成できる。

 9.1版ではコード生成機能にMISRA C準拠の生成機能を追加したほか,米Microsoft Corp.の開発ツール「Visual Studio 2005」への対応,モデルのデバッグ機能の強化などを実施した。

 価格はモデリング,シミュレーション,コード生成が可能な「プロフェッショナルモデル」の場合,スタンドアロンのライセンスで108万450円,フローティング・ライセンスで162万1200円(いずれも税込み)。