東芝が発表した2007年度第1四半期(2007年4~6月)の連結業績は,第1四半期(4~6月)の同社実績として過去最高の売上高と営業利益を達成した。売上高は対前年度同期比15%増の1兆6646億円,営業利益は同2%増の212億円である。

 好業績を牽引したのが,半導体事業とパソコン事業である。半導体事業の営業利益は対前年度同期比35億円増の235億円と,半導体事業単独で全社の営業利益を上回る金額を確保した。「システムLSIの収益が大幅に改善した。さらに,メモリ事業も収益面で健闘した」(東芝)という。パソコン事業の営業利益は96億円と,対前年度同期比で92億円増えた。コスト構造の改善に加えて,米国を中心とした海外売上高の伸長により増収となったことが利益を押し上げた。

 一方,前年度同期比で収益が悪化したのが,携帯電話機事業,HDD事業,液晶事業などである。とりわけ液晶事業は55億円の営業損失を計上した。同事業の営業損益は前年度同期比で48億円悪化した。「価格下落と携帯機器向けの物量減により,液晶事業の営業損益は大幅に悪化した」(東芝)とする。携帯電話機事業とHDD事業も前年度同期比で減益となったものの,いずれも営業利益を確保したという。

 東芝が今回発表した2007年度第1四半期の連結業績は,同社が2007年4月に公表した期初予測値(売上高は1兆6000億円,営業損益はプラスマイナス0)を上回った。この結果を踏まえ,同社は2007年度上期(4~9月)の業績予想を上方修正した。具体的には,連結売上高を期初予測の3兆5000億円から3兆6000億円へと1000億円増やした。期初に400億円を見込んでいた連結営業利益も700億円へと300億円上積みした。

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