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 ケンウッドは,連続データ転送速度が最大52倍速(7800Kバイト/秒),平均50倍速(7500Kバイト/秒)と高いCD-ROM装置「UCR-412」を発売する。イスラエルZEN Research,Inc.と共同で開発した製品である。

 出荷開始は1999年2月中旬。生産規模は月産約20万台の予定である。当面はパソコン・メーカや外付けの外部記憶装置メーカなどに対するOEM供給のみに限る。サンプル価格は3万円である。

 今回の製品は,1998年春に発表した40倍速の「UCR004010」で採用したマルチビーム再生方式「TrueX」を使い,データ転送速度をさらに高めたものである。具体的には,レーザ・ビームを回折格子によって7本に分割し,それぞれのビームで複数の記録トラックを並列に読み出す(動作原理などは日経エレクトロニクス1998年4月20日号ニュース・レポートを参照)。

 回転制御方式はCLV(constant linear velocity)で,ディスク全面にわたってほぼ同じデータ転送速度が得られる。既存の高速CD-ROM装置は,CAV(constant anguler velocity)方式を採ることが多く,ディスク内周ではデータ転送速度が低下する問題があった。

 ディスク回転数は,最内周で4750rpm,最外周で1900rpmに抑えた(単一ビームで再生する場合の9.5倍速相当)。消費電力や振動,騒音などが小さい。平均シーク時間は70msである。

 データ・キャッシュ容量は2Mバイト。ディスク・ローディング方式はトレイ式である。パソコンなどのホストとのインタフェースは,ATAPI対応の拡張IDE。外形寸法は148mm×42.5mm×201mm。重さは約900g。

発表文はhttp://www.kenwoodcorp.com/j/news/nr_kenwood990203.html