松下電器産業は,デジタル・カメラ「LUMIX」の新製品3機種を2007年8月25日に発売する(ニュース・リリース)。すべての機種に「おまかせiA(インテリジェント・オート)」と名付ける機能を搭載した。被写体の情報から,最適な撮影モードを自動的に判別・設定する機能である。具体的には,撮影モードを「おまかせiA」に合わせると,(1)顔,(2)風景,(3)マクロ(接写),(4)夜景と人物,(5)動き(移動物)の五つのシーンを自動で認識して撮影モードを切り替える。「世界初の機能」(同社)と胸を張る(記事下の写真を参照)。
この機能は「従来技術のすり合わせと掛け合わせで実現した」(松下電器産業 パナソニックAVCネットワークス社 ネットワーク事業グループ DSCビジネスユニット 企画グループ グループマネージャーの房忍氏)と説明する。顔や明るさ,被写体との距離や被写体の動きを検出する認識技術に加え,光学手ぶれ補正技術やAF(自動焦点)/AE(自動露出)技術のそれぞれの完成度を高めたうえで,各技術を組み合わせたという。
光学18倍ズームに
発売する3機種のうち「FX33」と「FX55」は薄型品。「FZ18」は高倍率ズーム品である。
薄型品のうちFX33は,35mmフィルム版換算の焦点距離が28mmの広角レンズを搭載しながら,本体の厚みが22mmと薄い。2.5型の液晶パネルを備える。これに対してFX55は,3型とより大きな液晶パネルを備え,本体の厚みが22.8mmと若干厚くなっている点以外は,FX33と同じ仕様である。
FZ18は,光学18倍ズーム機能を備える。従来品は12倍ズームだった。光学系のレンズ構成は8群11枚と「従来品と同じ」(松下電器産業)。ただし,ズーム倍率を高めたことで発生しやすくなる色収差を抑えるため,従来品では1枚だったED(特殊低分散)レンズを2枚にした。このほか,両面非球面レンズをFZシリーズとして初めて採用して小型化を図った。「世界最小10倍ズーム品である『TZ3』に搭載する非球面レンズを流用した」(松下電器産業)。この両面非球面レンズを含め,非球面レンズは4面3枚採用している。
有効画素数は3機種とも810万。価格はオープンだが,想定売価はFX33が4万3000円,FX55が4万5000円,FZ18が5万5000円とする。