携帯電話機向け無線ICの世界市場シェアで,米Texas Instruments Inc.(TI社)が初めて首位を明け渡した。米iSuppli Corp.の調査によれば,2007年1月~3月のTI社の市場シェアは16.5%で,米QUALCOMM Inc.の18.1%に及ばなかった。TI社がこの市場で首位を譲るのは,iSuppli社が統計を取り始めた2004年以降で初めてという。


携帯電話機向け無線ICの世界市場シェア(左が2006年10月~12月,右は2007年1月~3月)

 2007年1月~3月期は,携帯電話機向け無線ICの市場規模が直前期から5.5%減の69億7000万米ドルとなる中,QUALCOMM社は上位5社で唯一,この分野での売り上げを伸ばした。EvDOとWCDMAの需要増が追い風になった。iSuppli社によれば,QUALCOMM社は携帯電話機向けだけでなく,無線IC全般の市場シェアでも世界首位に躍り出たという。

 一方でTI社の携帯電話機向け無線IC事業は,市場平均を下回る7.1%の減収となった。第3世代サービス対応端末(3G端末)向けASICなどが今後,TI社の業績回復のカギを握るとiSuppli社はみている。ただし,2007年内にTI社が首位を奪還することはないだろうとの予測も示した。

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