米Sprint Nextel社と米Clearwire Corp.は,WiMAX技術を用いた全米規模のモバイル・ブロードバンドのネットワークを合同で構築する計画を発表した(発表資料)。2社がバラバラに構築する場合に比べて,二重投資による通信インフラの重複を避けることができ,かつより迅速に幅広いサービス・エリアを提供できるというのが理由である。

 両社は,米国の中でそれぞれの地盤となる地域にすみ分ける格好で通信インフラを構築し,ローミングによって互いのサービス・エリアを接続する。具体的には,Sprint Nextel社は米国の主要50都市中の3/4,およそ1億8500万人の居住地域を重点的にカバーしていく計画(関連記事)。一方,Clearwire社は,1億1500万人の居住地域を担当する(関連記事)。2008年末までには,両社合わせて1億人の居住エリアに通信インフラを構築する計画。

 さらに,ブランドやマーケティング戦略を共有しながら端末や通信サービスを共同開発する。両社がそれぞれ確保している2.5GHz帯の周波数の一部を互いに利用し合うことも想定している。

 ただし,今回の計画を実際に進めるにあたっては,(1)両社間の最終合意の締結,(2)米司法省の監査,(3)周波数の共用などについての米連邦通信委員会(FCC)による許可,などといった関門を越える必要がある。(1)の最終合意については今後60日以内に決着する見通しであるという。