韓国RadioPulse Inc.は,「現時点で世界最小」(同社)というZigBeeの送受信LSI「MG2450」を開発し,ワイヤレス・ジャパンに出展した。同LSIのパッケージは,5mm角。RFトランシーバ回路,ベースバンド処理/MAC層回路,8051系のマイクロコントローラなどを集積したほか,ADPCMという音声コーデックやプログラム用に96Kバイトのフラッシュ・メモリを混載している。受信感度が-99dBmと高いのも特徴で,通信距離が見通しで1kmと非常に長い。
韓国ではSIMカード型やリモコン製品も続々登場
RadioPulse社は今回,SIMカードにZigBeeの通信機能を実装した超薄型の「ZSIM Card」も出展した。外形寸法は,SIMカードの規格である15mm×25mm×約0.76mmと同じである。韓国SK Telecom社のブランドで発売するという。送受信ICには今回のMG2450の1世代前の製品「MG2455」の約3mm角のベア・チップ(パッケージ寸法は7mm角)を利用している。携帯電話機に装着して利用することを想定し,アンテナも携帯電話機内蔵のものを利用する。この場合の通信距離は70mという。
韓国では,政府がZigBeeの普及支援策を打ち出し,日本や欧米ではBluetoothが用いられている用途でもZigBeeの実装が進んでいるという。例えば,テレビなど家電製品のリモコンにZigBeeを用いる例が増えている。「RadioPulse社のLSIを用いて韓国LG Electronics社がリモコンを開発した」(RadioPulse社の日本代理店であるM2Mジャパン)。このほか,ワイヤレス・マウスとUSBドングル,車載用ハンズフリー機器,オモチャや監視用の小型ロボットなど。韓国Samsung社が携帯電話機に実装した例もある(関連記事)。