マイクロソフトは2007年7月11日,医療現場に携わる医師や看護師,IT管理者を組織化した医療情報化IT推進協議会(CHART)を設立した,と発表した。CHARTは,同社が医療現場でのIT利活用を促進するためのフレームワークとして掲げる「Connected Health Platform構想(CHP)」を具現化する取り組みの第1弾である。

 医療の現場ではサービスの質や安全性の向上が長らく叫ばれながら,IT活用に関しては不十分なのが現状である。CHPは,院内に導入されている複数の業務システムの相互連携を図りながら,医療従事者などに統一された使いやすいユーザー・インタフェースを提供することなどを目指している。

 今回設立したCHARTの目的は,院内医療のIT利活用のニーズを可視化し,ニーズに合った院内ITシステムを提供するなど,患者や医師,看護師などの視点に立った院内システムを実現することにある。このためにCHARTに参加する医師などが定期的に会合を開いて議論したり,事例研究会やセミナーなどを開催したりする。座長は,国立成育医療センター医療情報室長の山野辺裕二氏が務める。

 マイクロソフトは,CHARTを通じて医療現場におけるニーズを把握し,院内の情報共有やシステム連携を実現するための同社の技術やサービスを提供する。

 また同社は今後,医療現場でのIT利活用の啓発を目的としたセミナーなどを全国規模で展開していくという。