過去3年間のフラットパネル・ディスプレイの技術別出荷金額
過去3年間のフラットパネル・ディスプレイの技術別出荷金額
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過去3年間のフラットパネル・ディスプレイの用途別出荷金額
過去3年間のフラットパネル・ディスプレイの用途別出荷金額
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 米DisplaySearch社は,フラットパネル・ディスプレイ市場の出荷実績と今後の予測を発表した(発表資料)。2007年のフラットパネル・ディスプレイ市場の出荷金額は927億米ドル。2008年には1020億米ドルに達する見通しという。前回発表時は,2007~2008年の合計の出荷金額を1830億米ドルと予測していたが,TFT液晶ディスプレイの価格上昇を受けて上方修正した。TFT液晶パネル・メーカーの投資が過去数四半期の間に鈍化し,結果的にこれが販売価格の下落を抑えたという。

 2007年第1四半期のフラットパネル・ディスプレイの出荷金額は,対前年同期比5%減の194億米ドルだった。出荷面積は同38%増の1220万m2。1m2当たりの平均価格は同32%減少した。2007年前半の出荷金額は,対前年同期比4%増の414億米ドルを見込む。出荷面積は同45%増加し,1m2当たりの価格は同28%下落する見通しだ。

2007年第1四半期の出荷金額はテレビ向けとパソコン向けが同水準

 2007年第1四半期のテレビ向けの液晶パネル,PDP,投射型プロジェクター向けパネルの出荷金額は,フラットパネル・ディスプレイ市場全体の35.4%だった。パソコン向けは35.5%である。DisplaySearch社は,2008年にテレビ向けの出荷金額が全体の42%以上に増え,パソコン向けが32%以下に落ちると予測する。

 2007年第1四半期の液晶テレビ向けパネルの販売は好調で,出荷金額は対前年同期比10%増の56億米ドルだった。第2四半期には,出荷金額が対前期比24%増,出荷面積は同29%増,1m2当たりの価格は同3%減となる見通し。2008年第1四半期には出荷金額が対前年同期比で38%増加するという。一方,2007年第1四半期のPDPテレビ向けパネルの出荷金額は対前年同期比27%減の12億米ドル。第2四半期の出荷金額は対前期比3%増,出荷面積は同19%増,1m2当たりの価格は同14%減と予測する。2008年第1四半期のPDPテレビ向けパネルの出荷金額は対前年同期比5%増を見込む。

過去3年間におけるTFT液晶パネルの出荷金額は市場全体の81.8%

 過去3年間(2004年第2四半期~2007年第1四半期)のフラットパネル・ディスプレイの出荷金額を技術別に見ると,TFT液晶パネルのシェアが圧倒的に高く81.8%である。次いで,PDPの8.0%。今後3年間,上位2者に変動はないとDisplaySearch社は予測する。TFT液晶パネルの生産能力は現在,PDPの生産能力よりも大きく,テレビ向けのTFT液晶パネルの生産能力は急成長中だ。3位はパッシブ・マトリクス型液晶パネルで,PDPとほぼ同水準の7.7%。携帯電話機向け市場ではTFT液晶パネルと有機ELディスプレイがシェアを伸ばしているという。

 過去3年間の用途別出荷金額シェアを見ると,最も多いのはデスクトップ・パソコンのモニター向けの26.1%。続いて液晶テレビ向けの19.8%,携帯電話機向けの17.3%である。しかし,TFT液晶パネルに限ってはテレビ向けがパソコン向けを上回っているという。今後パソコン向けの出荷金額は,パソコン市場の成熟化に伴って鈍化し,携帯電話機向けの出荷金額も,価格の下落と世界的な携帯電話機の需用減速によって減少する見通しだ。

2010年まで有機ELディスプレイの出荷面積は年平均77%で成長

 DisplaySearch社は,2010年までのフラットパネル・ディスプレイ市場を以下のように予測する。技術別に見ると,TFT液晶パネルや電子ペーパー,有機ELディスプレイの出荷面積は拡大し,その他のディスプレイの出荷面積は減少する。有機ELディスプレイの出荷面積は年平均77%で成長,電子ペーパーは年平均38%で成長する見込み。用途別に見ると,携帯電話機向けディスプレイの出荷金額はあまり増加せず,テレビ向けの出荷金額が年平均12%で成長する。デジタル絵画などの新たな用途向けのディスプレイは,大幅に伸びる見通しだ。CRTディスプレイについては,2007年第1四半期の出荷金額が市場全体の6.2%だったが,この割合は2010年までに2%以下になるという。

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