日経エレクトロニクスのiPhone取材班は米国カリフォルニア州のとある街で,2007年6月29日の朝5時30分ころに目を覚ました。今日は米Apple Inc.の「iPhone」の発売日である(Tech-On!関連記事)。昨晩の深夜に並んでいた人のうち,何人かが列を離れ,午前9時ころの時点で並んでいたのは我々を含む6人だった。
iPhone取材班が並んだ米AT&T Wirelessの販売店では,通常営業前から並んでいる我々に同店のアシスタント・マネジャーがコーヒー店でコーヒーを振る舞ってくれる一幕があった。また同店は日中に,カリフォルニアの厳しい日差しの中で過ごす顧客にPETボトル入りの水を配っていた。
列に並んでいる我々の興味は,同店が何台のiPhoneを用意しているのかであった。代わる代わる列の様子を見に来るスタッフに尋ねても,帰ってくる答えは「分からない」。「一番前に並んでいる君たちはきっと大丈夫」という言葉にホッとしながら,販売開始の午後6時を待ち続けた。
午後4時30分,iPhone発売準備のためにいったん店を閉めたスタッフに,「早く売ってくれ」との声があちこちから飛ぶ。販売開始直前の行列は,正確には数え切れなかったが50人を越していた。AT&T Wirelessのスタッフによれば「他の販売店では,列の前のほうに並んでいた人の場所をもらうために1500米ドルを払おうとする人がいた」とのことである。
販売店に一番乗りしたiPhone取材班は,午後6時過ぎ,無事にiPhoneを入手した。一斉にiPhoneを発売したことの影響か,販売のコンピュータ・システムの動作が遅く,店員は困った様子を見せていた。これで,最重要課題だった入手作業は終わった。我々は,iPhoneの徹底解剖という次のミッションに移る。
我々にとって残念だったことが一つある。それは,販売開始直前にスタッフが「並んでいる皆の分がありそうだ」と言っていたことだ。在庫が十分あったらしい。前日の午後8時30分から並んだ苦労は何だったのか──。Apple社が予想以上に初日の販売台数を確保していたことに驚くとともに,少し悔しさを感じたのが正直なところ。贅沢かもしれないが。
◆箱を開けてわかった細かい気配りにつづく
「iPhone徹夜の入手編」(約2分5秒)
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